「徒用心(あだようじん)~重宝髪結」…最初このタイトルを見たとき、これは一体なに??と思いました。そして横に小さく書かれた「セビリャの理髪師より」でさらに混乱…まさかあのロッシーニのオペラ?日本舞踊??

その予想通り、この作品は「セビリアの理髪師」をもとに藤間蘭黄先生が作・演出・振付をされた新作の日本舞踊で、舞台をセビリアから江戸に移し、登場人物も当然日本名に。その時点ですでにニヤリとしてしまうのですが、内容がまた秀逸!あっという間に舞台が終わってしまうのです。

左から幡土十郎、彦郎、萬蔵、お梅、有馬林之進(兵庫県立芸術文化センターにて)

日本舞踊界のジャニーズとも囁かれる(謎)五耀會の先生方の洒脱かつ練りこまれた演技と舞踊で成り立つこの作品は、先生方一人ひとりの個性に沿って描かれた役柄がもうたまらなくぴったりで(絶賛しすぎ)、オペラを知らずとも日本舞踊を知らずとも、本当に楽しめてしまうのです。

役柄を離れ、フィナーレ!

五人の先生方にプラスしてナビゲーターの落語家・桂吉坊さんがまた素敵な色を添えてくださいます。彼が大阪弁で飄々と語る「徒用心」の解説はさすがの一言♡解説にしておくにはもったいないくらい面白いのものなのです。

屈託のない吉坊さんの笑顔に癒される〜♡

例えばお料理。一流の食材を揃え一流の料理人や一流の食器を用意したとしても、完璧なものに仕上がるとは限りません。そこに「こうありたい」という気持ちを込めることにより、作る側も食べる側も幸せになる一皿が完成すると思うのです。舞台芸術も同じです。幕が開く前のお客様の期待を一身に受け止め、舞台上から終演まで「幸福な満腹感」を味わっていただくこと…本当に難しいことですが、私はこの舞台にこうした意気込みを感じました。日本舞踊はちょっとわからない…と思われるみなさまにもぜひご覧いただきたい作品です♡

このひねりの効いた(笑)日本名!!カラヤンを聴きながら余韻にひたっています…