ファッションエディターの発田美穂さんが、大人世代におすすめしたいアイテムやコーディネート術、テクニックをご紹介します。

えーーと。大変ご無沙汰してしまいました。一体いつぶりなの? と自分で自分を「ミモレ 発田美穂」と検索してみましたところ、去年の11月8日以来でした。もう半年ですって。早い、早すぎる。

はい、こちらはまったく何も変わらず、元気に働いておりました。大きな不調はなくて、それは単にラッキーだったわけですが、それなりに更年期らしい体調低空飛行みたいな感じもあったりしつつ。それでも人に言わせれば、いつだって大層元気だったみたいです、私。

で、もうGWも近いっていうんで、春のおしゃれの話をしようと思うのですが、なんだか寒いですよね、最近。こういう時季、30代……いや40代前半くらいまでの私なら、いくら気温が低くたって春は春! “ふぁっしょんえでぃたー”たるもの、新しいお洋服を着なきゃ! と薄い服を先取りした結果、冷えて胃が痛くなったり、素足で靴を履いて夕方には足が超絶だるくなったりしておりました。

しかし、50歳の私は違います。もう、決して無理はしません。おしゃれはもちろん大好きなんですが(ええ)、でもはっきり言って、そんなことよりも体調が大事。とにかくぜーーーったいに無理したくないのです。だって、一度体調を崩したり、足が冷えたり、浮腫んだりしたら、リカバリーに恐ろしく時間がかかってしまうから。

ということで、アウターだけは新しい季節のものを取り入れつつ、中はそれなりに温かい服を着るようにしておりまして、そんな今、活躍しているのがこのトレンチコートです。

 
コート/ドゥロワー(今季購入したもの) ドッキングワンピース/イーバイエクラ バッグ/メゾンカナウ 靴/チャーチ カニのキーホルダー/アニヤ・ハインドマーチ

トレンチコートって本当に不思議なアイテムで、ものすごく着たくなるときもあれば、このかっちり感とかトラッド感みたいなものが全くピンとこなくなって、全然着たいと思わないときもある。

さらにトレンチ側にもそれなりの流れがあって、オーセンティックなデザインのものが流行るときもあれば、薄手の女っぽいものが主流になってみたり、はたまた“ベージュ以外”のものを多く見かけるようになったり。定番アイテムだからこそ、さまざまな形でトレンドの波に乗ってくるわけです。
 

 


毎年手に入るアイテムではあるけれど、そんな中でも、今またトレンチの波がやってきているな〜と思うときもあって、今年がまさにそれ! アレンジが効いたデザイン性の高いものというよりは、ちょっとした素材のニュアンスとか、ちょっとしたサイズのゆるさとか、基本はベーシックな中でほんの少しの違いを楽しむのが今年のトレンチだと思います。

てことで、久しぶりにきちんときれいめに着られるトレンチコートが欲しいと思いまして、これを手に入れました。かっちりしているんですけど、トレンチコートらしいディテールは削ぎ落としてあってかなりシンプル。私は顔立ちが昭和なので、いかにもなトレンチコートだと、ある意味似合いすぎる恐れがあり(どんな恐れ?)、少しさっぱりとしたこのデザインにしました。

そして中には、トップス部分が薄手のニットのドッキングワンピース、さらにソックスをしっかり履きたいからレースアップシューズを選ぶという、抜かりのない寒さ対策。無理はしない、絶対に。

ということで、また、連載を連載したいと思っている2024年です。(注:もう2024年の3分の1が終わろうとしています)


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構成/幸山梨奈
 

 

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