2017 Mar. 16

38歳だった私へ
38歳のあなたへ

今年45歳になります。16歳の時のことや、27歳、35歳の時のことは、もう「思い出」として記憶のアルバムに既にしまいこまれていますが。38歳って、実は特別。前後差はあるかもしれませんが、このスペシャルな通過点をいつの日か通ったことと、経験している方もいらっしゃるかもしれません。

最初からお伝えしていますが、ミモレでは、読者の方の年齢層を想定したり、限定したりしていません。20代の方、30代の方もたくさんいらっしゃいますので、今日は、私が自分の「何か特別な通過点だと感じた」38歳の時のことを書きたいな、と思います。

その頃の私。末っ子の麻矢を出産。2週間ほどで、少しずつ仕事に復帰しました(みなさま、真似しないですね)。仕事は、10年近くやらせて頂いた“Grazia”という雑誌で、やっと特集企画をやらせてもらうようになり、「スタイリスト大草直子」というタイトルの企画を頂いたり――と。とにかく30代、プライべートの時間もなく、さらに記憶もなく働いた結果が出てきたときでした。その時出版した本が、これ。中を見てみると、顔がぱんぱんの(笑)、今より格段に若い自分が。ぎゃああ~~~。

確かに、外見ももしかしたら、内面の充実度も。さらにキャリアにおいても、次の展開が見えないほど、「38歳に満足している」状態だったように思います。「勢い」という意味での最高地点というのでしょうか(笑)。だからこそ、その中に垣間見える、「小さな変化」に怯んだり、戸惑う時期だったのです。

私の場合。おしゃれで言うと、例えば、愛用していたボーイフレンドデニムが似合わなくなりました。ヒップの位置が変わり、ウエストからヒップ上までのぜい肉がそげたので、かなりぶかっと着るボーイフレンドデニムは、後姿をだらしなく見せてしまうことに。

さらに、親友だったグレーのV開きニットと距離を置くことになりました。顔はまだパンとしているのに、バストの位置が下がり、首にうっすらと影が生まれ。首から上と首から下の印象の違いを、なんとなく違和感として、V開きのニットが強調してしまうような気がして。

ただし、白いシャツとの仲が復権したり、トレンチコートが私の人生の中にと参加したり――と楽しい発見もいっぱいでした。

あ、何も38歳は老化のスタート地点、と脅かしているわけではありません。少しずつ自分の外見、内面、そして取り巻く環境に「変化」が訪れるタイミングなのだ、ということです。外見なんかは、きっとわかりやすいと思いますが、しばらくその変わりゆく自分や周りに、落ち着かず、少し寂しく思ったりするかもしれません。

けれど、そのただ中にいる方、さらにもう少しでタイミングを迎える方に言いたいと思います。

これは、少し続く変化の渦の1歩であり、怖がるものでも嘆くことでもありません。きっとしばらくは慣れないと思いますが、その後一定期間続く「変化のタイミング」を超えると、見える景色が変わります。新しいおしゃれができるようになり、ほとんどのことをやすやすとクリアできるようになった自分に驚き、だからこそさらにまた別の挑戦ができていることを喜ぶ自分がいるはずです。

今思うと、この38歳という時期は、さまざまなことに結果が出て充実していると同時に、私たちがずっとお伝えしている、「おしゃれ更年期」のトンネルが、行く先に見えてくる頃なのかもしれませんね。今までは、そんなかまぼこ型の、さらに中が真っ暗のトンネルなんて、影も見えませんから、これだけで大きな変化です。

女性は変化していく性です。変化に迷い戸惑っても、まるで水の流れのように、そのうちにぴたっと新しい道で、その形に流れていくのです。変化の後の新しい景色を楽しめるのも、私たちです。もし、私が6年前に感じた違和感に怯えたり、立ちすくんでいる人がいたら、と思い、今日はこんなダイアリーになりました。

いろいろ書きましたが、はっきりと言えます。「おしゃれ更年期」のトンネルが見えた時の驚きと、ただ中にいたときの寂しさや怖さを超え、1つ目のトンネルを確かに通り過ぎた「今」は、何もかもが新鮮で楽しく、ギフトのような時期だなあ、と思っています。44歳、楽しいですよ! とお伝えしておきますね。長くなりましたので、どこがどう楽しくなったかは、近々またの機会に(笑)。

朝から、自分の少し前を振り返りました(笑)。金曜日イブ! 今日も1日、元気に頑張ります(笑)!

大草 直子

  • これが、38歳のときに出した本。大草直子の“考えるおしゃれ”。この表紙の写真、“Grazia”の仕事でニューヨークに行ったときの1カット。冗談みたいですが、ロケハンの日なのでマジノーメイク笑。“ヴァンテーヌ”元編集長との対談も載っていたり、かなり盛りだくさんなので、よろしければ是非笑!
  • 前だけ向いて全力で走ってきて。38歳で少し立ち止まったときに手に取ったのが、バロックパール。少しいびつ、けれど、真円ではない面白さや個性が、自分に寄り添ってくれた瞬間を覚えています。バロックパールのピアスは、今でも伴走者。こんな気づきも面白い!パール/ボンマジック