tyさんからの質問
Q.
兄嫁が、自己愛性もしくは
境界性人格障害らしく
兄がモラハラを受けているようです。

私たちは仲が良い家族で、両親も過干渉なほど私たち兄妹に愛情を注いでいましたが、兄嫁は自分の母親に大切にされなかった過去を思い出し、疎外感を感じるということで、今では兄嫁の機嫌の良いときだけ会います。その際も、機嫌を損ねないようにすべて合わせなくてはなりません。私に対する嫉妬も強く、私の両親が私のために何かをしたり、私の子どもと一緒にいたりしたことを見聞きするだけで、手がつけられないほど暴言を吐いたり、脅迫めいたメールが来たりします。私は疲れて彼女と距離をおくようになりましたが、兄は、「余計関係が悪化するから」と私と兄嫁の2人きりで話をしろといいます。私はトラウマから、彼女のことを考えただけで動悸が激しくなり身体が震えるため、どうしてもできません。私の夫が同席するのも、本音を話せないからダメだと言います。兄は子どもと離れたくないし自分も悪いので、離婚できないと言います。しかし先日、兄から自殺をほのめかすようなメールが来ました。兄は相談できるのが私だけなので、私に助けを求めているのだと思います。今すぐなんとか救いたいのですが、自分も精神的に弱いため、何もできずにいます。(40歳)

特別ゲスト 信田さよ子先生の回答
A.
「最後は家族」ではなく
「最後は他人」というふうに
思われるようにしてください。

大変な状況ですね……。でも私がまず不思議に思ったのは、妹であるtyさんだけがお兄さんにとっての話し相手なのでしょうか? このように、二人のご両親に相談できなくて兄妹にいろいろなことを言っている、というケースにはしばしば遭遇いたしますが、カウンセラーの視点からしますと、そのこと自体がおかしな状態なのですよ。というのも、tyさんが現在40歳とのことですから、お兄さんも40代半ばくらいですよね? いい大人なのに、妹だけに相談してくるというのはどうなのでしょう。

このお兄さんのような悩みは、精神科ではなく、私たちのようなカウンセリングの対象なのですね。tyさんは、お兄さんが大変なこともよく分かっていらっしゃるし、自分にとって大事な人だから死ぬなんてことは考えてほしくない、と思われているのですよね。でも自分一人でお兄さんの話を聞いて受け止めるのは、限界があります。ましてお兄さんの言うとおり兄嫁に会う必要もありません。「ちゃんと専門家のところに行って相談してみたら?」と伝えてください。専門家に振ることで、問題を分ける、ということをしてほしいと思うのです。

このような精神状態は連鎖してしまいますから。つまり、お兄さんのダメージがtyさんのダメージにもなる。そうすると、家庭が二つダウンしてしまいますから、これは大変なことです。

たしかに、こういった身内の問題を専門家に話すというのは、すごく敷居が高いことだと思います。皆さん、「最後は家族だ」と思っていらっしゃると思うのですが、そう思っているとこのように自分一人で背負って苦しむことになってしまうのですね。ですから、「最後は専門家」、「最後は他人」というふうに思ってほしいのです。すべてを家族だけで解決しようとすると、どれだけの家族が崩壊してしまうことか……。身内というのは、意外に利害関係があって身動きがとれないことも多いもの。最後は、信頼できる他人が一番なのですよ。
でも、こんなことを言ってはtyさんに申し訳ないのですが、お兄さんもお兄さんだと私は思ってしまいます。子供と離れたくないし自分も悪いので離婚できないと決めておきながら、妹さんには「死にたい」などと言うのですよね。決めたのなら愚痴を言わずにおやりなさい、と言いたくなってしまいますね。

このようなご相談に乗らせていただくことはしばしばあるのですが、そのたびに思うのは、女性のほうが「踏み出そう」という姿勢があるなということです。カウンセリングに来られるのは、圧倒的に女性が多いんです。ですから私はどうしても、お兄さんに腹が立ってしまう……。何度も言ってしまってごめんなさい。でもこれは、お兄さんの努力不足な部分もあると思うんです。それを、tyさん一人で引き受けられることはないと思いますよ!

いかがですか?
信田先生の回答、ぜひご参考になさってください。
信田先生の回答一覧を見る

PROFILE