みなさん、ドライフルーツお好きですか?
実はそんなに甘いものが得意ではありませんが、チーズと一緒に食べたり、お酒のおつまみとして時々買ってみたりします。
独特な食感や甘すぎるのが苦手・・・という方も少なくないかもしれませんが、そんな方にもぜひオススメしたいドライフルーツを発見!
今年の夏、実家近くで昔からお茶農園を営んでいるオーナーの方とお会いする機会がありました。若い頃、母に付き添ってお茶を買いに行った時以来の再会。失礼ながら、それなりにお歳を召されているハズですが、変わらずお若くてアグレシッブ。
熊本で実ったフルーツを農家さんと提携し、新事業でドライフルーツのビジネスをスタートされたとのこと。早速送っていただき、食してみました。
それは加味されたようなしつこい甘さでなく、本来のフルーツの持ち味をそのまま生かしたドライフルーツです。

新技術でもある「マイクロ波減圧乾燥機」を用いて、低音乾燥と真空加工により時間の短縮を図り、できるだけ生に近い色、香り栄養価を保つという優れワザ。フルーツは熊本県産のみで生産者も見えるトレサビリティシステムを導入し、子どもが食べても安全で安心。
単に食べるだけでなく、蜜柑などの柑橘系は持ち前の酸味と甘さプラス皮の渋みがあり、また檸檬は酸っぱさと苦味をそのまま残しているため、サラダに添えて見たり、お茶や炭酸水、サングリアなどのお酒に浮かべたら、一手間かかったおしゃれな飲み物に。また柿や梨も極端な甘みではなく、ナチュラルな甘さが口に広がります。ティータイムのお供にももちろん、チーズや生ハム、ワインと一緒でも楽しめそう。

さて、話しは逸れますが、昨年放映された映画「ブルゴーニュで会いましょう」ご覧になったことありますか?
ブルゴーニュ地方を舞台に、老舗ワイナリーを営む家族の再生を描いたドラマです。経営困難ながら先祖代々受け継がれてきた土地で根付いてきた農法でことを進めようとする父親。一方、革新的なアイデアと、あえて誰も手をつけないやり方で納得いく味を探求する息子との葛藤が、美しい農園を舞台に切実に描かれています。


私自身、ここ数年で田舎に移り住み農家を始めた方にお会いすることや、代々土地を受け継ぐ老舗農家さんのお話しを聞く機会もしばしば。骨折りな作業が多い割には、サラリーマンのような安定した生活が見込める訳でもなく、相手が自然や生き物だけに過酷な現実を突きつけてくることもあります。やもえず、畑を手放したり、家業に終止符を打つご家族も。一方で大地から生まれる命を目の当たりにする嬉しさや、やりがい、自然と共に暮らせる喜びなど天秤にかけれない幸せもそこには存在します。
農家でない限り彼らの大変さは身に持って共感することはできません。でも、食する私たちが忘れてはならないのは、作り手の思いや自然の恵みに対する感謝。彼らの素晴らしいクリエーションなしに美食は生まれません。
新しいことを試みることはリスキーではあるけれども、革新なくして、未来は訪れない・・・次世代の農家さんや中山さんのチャレンジ精神が、この映画の主人公とどこかシンクロしているように思い、書かせていただきました。
時には作り手のことを思いながら無駄なく、美味しく、日々の食卓を。
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