実は初めての築地。
年末ということもあり私も少しずつおせちの下準備を行いたいと思い、料理家の奥田ここさんにご相談。市場をご案内いただくことになりました。
ここさんは、和食を中心に数々の雑誌やメディアにおいてレシピも提供されており、ご存知の方も多いかもしれません。熊本へ食材を求めご一緒したり、公私ともにお世話になっている料理家さんです。

朝早くから大きなクーラーボックスを抱え市場に登場したここさんは、香港から帰国されたばかり。細い体に想像つかないほど体力の持ち主。
もう一つのすごいところは「悩んだことある?」と聞いたら、「悩むってなあに?」と返されるほどポジティブ(笑)。美味しいものを作る人に共通して言えるのですが、前向きで幸せオーラを放つ人が多いような気がします。
ピーンとはった冷たい空気が漂う中、市場の活気と熱気に包まれ寒さを忘れてしまうほど。場内でのモタモタは禁物。狭い路地には良いものを求めるプロが真剣な眼差しで無駄なく手早く品定めしています。





そんな状況に圧倒されながらもここさんは大きな声で「おはようございま〜す!」と声をかけながら躊躇することなく、どんどん足を進めます。
正直、そう簡単に打ち解けれるような相手には見えませんが、ここには昔から変わらない「信頼」というものがきちんと根付く場所。筋を通すことだったり、彼女の持ち前のキャラクターも相成って、素敵な関係性が成り立っているように感じました。
さて、ここさんのアドバイスのもと購入した食材や道具たちをご紹介。
■鯛の尾頭・鮭のカマ・数の子

数の子はお正月用に早速購入。
鮭のカマは一切れずつサランラップに包んで冷凍保存。食する際も冷凍からそのまま焼くのが基本。水分を保ったまま焼くことができるそう。

そして、鯛の頭は奥田ここさんのおすすめレシピをもとに鯛めしに。お祝いの席にも嬉しい一品。レシピはこちらをご覧ください!

■乾物&ねり物

老舗小田原の鈴廣のかまぼこ、丸山海苔店の「こんとび」、秋山商店の削り節、そして利尻昆布。
ちょうど新海苔のシーズン。こんとびは青のりが入って風合い香りともに豊か。口いっぱいに磯の香りが漂います。
秋山商店の削り節は「カツオの血合いあり」が万能にオススメ。上品な香りが特徴で、煮物やお吸い物などにもぴったり。「血合い」は旨味が強いので、かつおだけで食べても美味しさが口に広がります。一方、料亭やお正月料理などさらに洗練されたお味を・・・という場合は血合いが入っていないものがオススメだそう。
こんぶは大きく「日高」「利尻」「羅臼」の三種類がありますが、用途に合わせて。普段早く出しを取りたい場合は「日高」、甘みの癖があるのが「羅臼」、「利尻」はお正月に雑煮など上品でより澄んだ出汁を取りたいときにフィットします。
■調理器具
晒と盆ざるは出し汁を作るときにとても重宝。目の細かい吉田晒は出し汁の濁りを最小限に抑えてくれます。
ステンレス製の盆ざるはボールや鍋の上でも簡単にこすことができます。この上に晒を乗せればバッチリ!竹のタイプより使いやすく、揚げ物の時などにも重宝する万能器具。
■築地で見つけたオシャレグッズ
服部金物店で購入した竹製の「市場かご」と伊藤ウロコの「長靴」。
昔から欲しかった市場かごバッグ。マチもたっぷりあって、買い物には重宝するかごバッグ。確かにこれを持ってうろうろしている職人さんが以外に多くびっくりしましたが・・・。美しい網目に、日本の伝統が受け継がれているように感じる逸品です。受け継ぐ人が少ないのか、来年は値段が上がるそう。私が購入したこちらのサイズは 小(390×200×235)タイプ。
伊藤ウロコさんのこの長靴はとても暖かくて、普段の雨雪時にも重宝しそう。天然ゴムで作られており、やわらかく履きやすいのが特徴です。ここさんにも勧められて購入したこちらは、女性用に向けられた細身タイプ。かかとや底上げもしっかりされているので、野暮ったく見えないのも嬉しい。
東京の台所「築地」。食は文化・・・と言いますが、この数時間の体験は私を豊かな気分にさせてくれました。
ここさんとの続・築地巡りとお正月のオススメレシピをまた次回にご紹介します!
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