本の出版直前にトラブル発生!
そこに、「気づき」があった

そして対人関係においても、時任さん自身、ものの見方を少し変えるだけで、人生が大きく好転するという経験をたくさん重ねてきた。

「実は最初の著書『いいことしか起きない30のルール』を出版する直前、思わぬことを出版社から言われたんです。それは、「時任三郎の妻」っと大きく帯に書くという内容でした。私は夫の名前を一切出さないという条件で出版を決めたので、とてもショックでした。もちろん本を出版するということは大変なことなので出版社側の意向も理解できましたが、でも話が違う、と思いがく然とました。そのとき、ふと立ち止まって自分の心を見つめてみた。『これは彼らの問題じゃない。この状況を作り出している原因は、私のなかにあるはずだ』と。すると、自分のなかに、『前に出たくない』という気持ちが強くあることに気づきました。だから、そんなトラブルが起きて本の出版をやめるような出来事が起きたんです。でも、『本を出して、みなさんにいろんなことを伝えていきたい』という思いが、前に出たくないという気持ちよりずっと大きいこともわかったんです。そこで、気持ちに整理をつけたうえで、出版社の方たちを責めるのではなく、逆に『愛』と『光』を送ることにしました。私自身の本心に気づかせるために、嫌な役目を担ってくれたことに感謝して」

【時任千佳さん インタビュー】<br />奇跡は起きたがっている vol.2_img0
 

悪いことは、「ギフト」
そこに奇跡が隠されている

その次の日、突然、女優で友人の大竹しのぶさんから連絡が入り、続けざまに、同じく友人でJ・F・ケネディの甥で俳優のクリストファー・ケネディさんからも!そして帯にコメントをもらえることが決まった。それで出版社側とももめずに、結局、夫の名前はプロフィールの箇所だけに。それは彼の妻として堂々と生きて行こうという後押しにもなりました。問題がクリアになった今では、そのときの編集者とも大の仲良しだという。

「問題が起きたとき、相手を責めて文句を言っていたら、たぶんこんな最高の形にはならなかったと思うんです。悪いことって、実はギフトなんですよね。きっと後で、いいことに変わるから。何かを私に教えてくれているんだと思います。だから、悪いことが起きたときこそ、『おかげさまで、気づかせていただいた』と相手に感謝し、その人の幸せを願うことが大切だなと実感しています。悪いことのなかにこそ実は宝物があって、そのなかに奇蹟が隠されている。もともと虚弱体質で、家庭環境も苦しく、不思議な力に悩まされてきたけれど、それも今思えば、全部が宝物だったんだと思いますね」

【時任千佳さん インタビュー】<br />奇跡は起きたがっている vol.2_img1
今年3月、与論島で夕陽を背景に。旅先で大自然に触れることで、どんどん元気に、パワーアップしていくそう。