ドレスコードのTPOや冠婚葬祭での振る舞いなど、大人になればなるにつれ、「そんなつもりじゃなかった」といううっかりマナー違反が許されなくなってくるもの。それが大統領夫人という公の立場の人物なら、なおのこと。
米国大統領夫人となってから、今までも散々バッシングされてきたメラニア・トランプですが、ここに来て、さらに彼女の人間性を疑いたくなるような事件がありました。
それは、テキサスにある、メキシコからの不法移民の親から引き離された子供たちの収容施設を訪問したときのこと。夫人自ら強く望んで実現したというこの訪問なのに、メラニアが着ていたのは、「I REALLY DON’T CARE. DOU U?(私は本当にどうでもいいわ。あなたはどう?)」と描かれたワークコート。このコートは、ZARAのものらしいのですが、いくらでもハイブランドの服を買える立場にあるメラニアが、しかもよりによって施設訪問の際にこのアイテムを選ぶとは。
そもそも、この収容施設に収容された5歳〜17歳の60人の子供たちが親と引き離されてしまったのは、トランプ大統領の移民政策によるもの。トランプ大統領はこの引き離し政策をやめるという大統領令にサインしたものの、今まですでに親と引き離されてしまった2300人以上の子供たちをどうするかということは決まっていないそう。
私は、今のメディアやSNSの、有名人の揚げ足を取って何でもかんでも鬼のように叩くという風潮が正直苦手なのですが、今回だけは別。言葉もわからない異国の地で、親と引き離されて生活している幼い子供たちのことを考えたら(しかもそれが自分の夫の政策のせいで)、この洋服選びに思慮深さや思いやりは感じられませんよね。ちなみにこのジャケットは、テキサス行きの飛行機に乗るときに着ていたもので、子供たちに会うときには違うジャケットに着替えたということなので、それを聞いて少し安心しました。
よくメラニアが大統領夫人としての資質がないということで批判されているのを目にするけれど、そんなことよりも、いい歳をした大人がその日会う人がその服装を見てどんな気持ちになるかという想像力も持てない(もしくは想像できるからわざとしたのかもしれませんが…•)というのがとても残念なことだと思います。
夫であるトランプ大統領は、今回のメラニアのジャケットに書かれたメッセージについてTwitterで「今回の訪問に対してではなく、メディアのフェイクニュースに向けてのメッセージだ」と擁護している様子。
メラニアに対して、「どんな小さな動向でもニュースになる自分自身の立場をわかっているのならもう少し服選びにも配慮があってもいいのになあ」と思うとともに、やっぱりファッションには着る人の人格と知性が出てしまうのだなあと、改めて気が引き締まる思いなのでありました。
追記:このコートはもう売り切れてしまっているのですが、キッズの同じパターンのコートには「振り返らずに進め!」といったポジティブなメッセージが。
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