高校3年生の長女の大学受験の準備、佳境を迎えています。秋から始まるAO入試に挑戦するため、「どうしてこの大学に行きたいのか」「大学を卒業した後、どんなキャリアを描いているのか」を、一般入試の勉強と共に深く考えているようです。

我が家では、親が手取足取り何かを教える、ということはありません。将来や未来について強制することもなく、本人の個性や才能を客観的に見て、それを伸ばす手伝いをするだけです。ただし、日常の中で「私がどう仕事を考えているのか」「どうしてダディは仕事を辞めて、主夫になってくれたのか」「また仕事を再開したのか」ということを、折に触れて話すようにしています。長男の中学生でのアメリカ留学もそうだし、長女の今回の大学進学においての選択もそう。後々、その進路が変わっても良いのです。早めの「キャリア準備」は、きっと長い目で見た時に自分の将来を助けてくれる、と確信しています。

準備に余念がない長女を見ながら、「ああ、大きくなったな」と感慨に浸っていたら、聞かれました。「ママにとってのキャリア観を聞かせてほしい」

私にとってのキャリアか。

中学校の卒業文集の将来の夢、という項目に「ファッション誌の編集者になりたい」と書いたのは、もしかしたら以前お伝えしているかもしれません。ものすごい時間と労力をかけて準備をし、その夢が叶い、新人編集者としてのキャリアをスタートさせ、今年で24年経ちます。結構長い道のりだった(笑)。その道のりの中で、フリーランスになって、スタイリストと呼ばれるようになり、ミモレの編集長をやらせて頂き――と、様々な経験を積ませてもらいました。ストレスで円形脱毛症になったり、潰瘍性大腸炎で入院したり。子育てと並行しながらの時期は、全く自分の時間がとれなかったりしましたが。一度もこの仕事を辞めようと思ったことはなく、妊娠出産、離婚や再婚、と言った様々なプライベートの節目も含め、どんな手を使ってでも(笑)続けてきた現状を伝えました。

そして、20年以上キャリアをレイヤードしたからこそ言える、「私のキャリア観」において、次の3つがとても大事だということも。その3つの項目は人によって違っても良いし、比重も異なって当然。ただし、おそらくほとんどの人にとって、「3つのポイントが描く三角形」は必須で、それを早めに考えられたら、きっと変化していく経済状況や自分の環境においても、「自分にとって正しい選択」ができるのだと思います。

その3つは、
1 自己実現を諦めない
自分の夢ややりたいこと、好きなことを明確にし、それを叶えていくこと

2 社会貢献をシビアに考える
「奉仕」ということではなく、自分が関わる仕事が、社会にもたらす「良い作用」のこと

3 生涯賃金をイメージしておく
キャリア人生の中で、どのくらいの労働対価が必要なのかを、長いビジョンで考えること

夢をまずクリアにすること。その夢や未来に対して覚悟を決め、実現するための努力は1ミリも出し惜しみせず、自分が自分の仕事をすることで「社会にどう還元できるか」を考え、さらに、生涯賃金をきちんと試算することが大切だ――と、肉を焼きながら(笑)話しました。

娘に言われて、言語化できてよかった。

仕事をしているとよく言われる「ラッキーですよね」「楽しそうに仕事されていますよね」という言葉に、必ず返すようにしている「そうですね、おっしゃる通りです。けれど、血を吐くほどの努力をし、シビアに生活を支えるために仕事しているんですよ」と言い続けてきた「気持ち」の部分も、何だかすとんと腑に落ちたのでした。

そんな夏の1日でした(笑)!

大草 直子

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