火にかければ素材のうまみや香りをぎゅっと閉じこめ、じわじわと冷やせばおいしさを素材に浸透させるストウブ鍋。冷やしたり凍らせたりするお菓子を作れば、その冷たさをしっかりキープしてくれるという優れモノ! そこでストウブ鍋で調理して冷やすお菓子のレシピ本『ストウブで冷たいお菓子』(著:柳瀬久美子)から、「タルトタタン」の作り方をご紹介します。
手間のかかるイメージが強いタルトタタンですが、焼くのも冷やし固めるのもストウブ鍋ひとつで簡単に作れてしまうのも魅力です!
ストウブ鍋で作るタルトタタン
ストウブ鍋でタルトタタンを作ると「こんなにラクチンで上手にできるんだ!」と感動します。りんごにじっくり火が通るので、りんごのうまみを最大限に引き出せます。りんごは酸味のある紅玉やグラニースミスを使って。(柳瀬久美子)
材料(18cmのラウンド1台分)
・冷凍パイシート 約200g
[フィリング(中に詰めるもの)]
・グラニュー糖(a) 100g
・りんご(紅玉) 1.2kg(約6個)
・バター(食塩不使用) 50g
・グラニュー糖(b) 150g
下準備
・冷凍パイシートは室温に戻す。
・りんごは皮と芯を取り除き、4~6等分のくし型切りにする。
・バターは室温に戻す。
・オーブンは180℃に予熱する。
作り方
1. 鍋にグラニュー糖(a)を入れて中火にかけ、煮つめる。キャラメル色になったら火を止め、鍋を水につけて温度の上昇を止める(ジュッと水が勢いよく蒸発するので、湯気ややけどに注意!)。そのままキャラメルがべっこうあめ状に固まるまで冷ます。
2. 鍋肌と鍋底のべっこうあめ状のキャラメルの表面に分量からバターを厚めに塗り、りんごの半量を隙間なく詰める。残りのバターの半量とグラニュー糖(b)の半量をその上に散らし、残りのりんごを並べ、残りのバターとグラニュー糖をふりかける(りんごが山盛りになるが気にしなくてよい)。180℃のオーブンで1時間20分~1時間30分焼く。
3. オーブンから取り出し、鍋中の水分が多くサラサラだったら少しとろみがつくまで弱火にかけて煮つめ、火からおろしてそのまま置いておく。
4.パイシートを台に置き、めん棒で3mm厚さにのばし、鍋の大きさ(直径18cm)に合わせて丸く抜く。天パンにのせ、表面全体にフォークを刺して空気抜けの穴をあける。同じくらいの大きさの平らな重し(お菓子の型など)をのせてパイが浮くのを抑えながら、180℃のオーブンで約20分焼く。
5.重しをはずし、再び180℃のオーブンで5~6分、全体がきつね色になるまで焼く。オーブンから取り出して粗熱を取る。
6.5を3のりんごの表面に押しつけるようにのせ、180℃のオーブンで約10分焼く。
鍋のまま粗熱を取り、冷蔵庫で完全に冷やし固める。鍋から抜くときは、鍋を強火に4~5秒かけて鍋底と鍋肌を少し温めてから器に返す。
『ストウブで冷たいお菓子』
著者 柳瀬 久美子 講談社 1400円(税別)
「ストウブ」といえば、素材の良さを引き出し、蒸す、焼く、煮るのオールマイティな鍋として人気を集めています。ガス、オーブン、IHにも対応可能で使い勝手抜群!
そんな鍋をお菓子づくりにも使わない手はありません。
「保温性に優れている」=「保冷性にも優れている」。じつは冷たいデザートを作るにも最適な鍋なのです。
アイスクリームはベースになるアングレーズソースを使って、鍋ごと冷凍庫に。時々かきませれば、できあがり。プリンはストウブにプリン液を入れて、湯煎で焼く。鍋の厚さが湯煎のときの熱のあたりを柔らかくし、冷やした後の保冷性もいい!
おもてなしの場面では、ストウブに入れたままできあがったものをそのままテーブルに出せば、見た目も新鮮、冷たさも持続する……。
冷たいデザートで、新しいストウブの魅力発見です!
『ストウブで冷たいお菓子』のほか、料理、健康・美容など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
講談社くらしの本はこちら>>
・第1回「ストウブ鍋で冷たいお菓子が!ヨーグルトソルベとローストパイナップル」はこちら>>
・第2回「今すぐ食べたい冷んやりスイーツ ストウブ鍋でニューヨークチーズケーキ」はこちら>>
柳瀬 久美子(ヤナセ クミコ)
東京都出身、料理研究家。都内洋菓子店、レストランなどで6年間働いた後、渡仏。滞在中リッツ・エスコフィエ、ディプロム取得。知り合ったフランス人家庭での生活の中フ ランス家庭菓子、家庭料理を覚える。帰国後フードコーディネーターとして独立。雑誌、広告、テレビなどの料理・菓子制作のほか、企業の商品開発、店舗のメニュー開発も手がける。
『ジェラート、アイスクリーム、シャーベット―ライト&リッチな45レシピ』(主婦の友社)、『おうちでつくれるかわいいお菓子』(実業之日本社)、『ストウブでつくるあったかいお菓子』(講談社)など著書多数。