オープン当時のウィム ガゼットに出会った時の衝撃は、今でも忘れられません。
当時まだ30代だった私は、「大人になるということは、この服を着られるということなんだ」と、心から安堵し、その出会いから、自分のカジュアルも雑誌で手掛けるスタイリングも変わったことを記憶しています。

そのディレクターを務めていたのが祐宗摩稚子さん。私と同じ年代♡ ベーシックが基本、そこに、彼女ならではの感性(それは、ロックだったりパンクだったり、ストリートだったりするのですが)をプラスオンしていく! その様は、祐宗さんが前進するのと同時に手掛けるブランドに100%投影され。ファッションとは生き物で、モードとは、ランウェイではなくこうした「人」からクリエイトされるものなんだ、と、心から感動するほど。

ウィム ガゼットをスタートさせたときは、作りだす服も、ご自身のコーディネートも、ベージュメイン。甘いピンクベージュや煙るようなカーキベージュなど。様々なベージュを自在に操り、スタイリストとしてもうなるほどでした(笑)。

そして、満を持して新しいブランド、「THIRD MAGAZINE」旗艦店を立ち上げたのが、今年の9月1日。代官山旧山手通りにあるこのストア。実は、普通のショップというより、パーソナルスタイリストが常駐するショウルーミング形式。もちろんその場でも手に入れることはできるのですが、基本はECと連動し、オンラインで購入。自宅に届きます。

NYなど、海外でも流行の兆しを見せるショウルーミング。何度か店を訪れて、もう感激の嵐(笑)。その新しい業態に、だけでなく、46歳になった祐宗さんの「大人のカジュアル」に。

目立つのは、ベージュではなく黒。そして、赤やグリーンといった強い色を効かせて、ドレッシーとカジュアルの「落差」をとにかく大きく。このあたりも、40代になってから黒が大好きになった私。まさに、着たい服がここにあり、年齢を重ねていくことは、おしゃれの可能性も未来への希望も重ねていくことなんだな、と実感。すごいなあ、このアイデア。このセンス。

新しいブランドは、必ず自分で体験するようにしているのもあり、(それだけではなく、個人的に大興奮したのもあって)何点か購入。

いろいろなコーディネートで着よう、と寒くなるのが楽しみになった秋の始めでした。

祐宗さん、毎日のように大きな壁を使って新しい着こなしを提案されています。お近くにお越しの際は是非、チェックしてみてください♡

大草 直子

  • 珍しく大きな柄、しかも赤のコートを買いました。懐かしのバッファロー柄ですが、驚くほど大人に、驚くほどラグジュアリーに着られます。薄手のダウンを仕込んだり、レザーのライダースに重ねれば真冬までいけそうです。
  • 流行のボウタイブラウスも、シルクジョーゼットなので良い「重さ」が出て、とろみのあるシルエットに。学校行事にも使えるなあ、と思ったのですが(日南子の高校の卒業式を控えています)、普段はやっぱりデニムに! デニムやTシャツなど、ヴィンテージも多く揃えているので、ただ1つのアイテムを見つけるのも楽しいですよ♡
  • この大きな壁をキャンバスに、祐宗さんのスタイリングが見られます。本当にワクワクするインスタレーションです。
  • 白いトップスの祐宗さんと、バイイング&PRを務める中山彩子さん。ウィム ガゼットのベストコンビがここでもまた♡