ミモレはスタート当初から、抗うアンチエイジングではなく、エイジングをポジティブにとらえるウェルエイジングの考え方を提案してきました。ですから、単なる「白髪をどうケアする?」「どうやって移行させる?」といったテクニックや「グレイヘアにするべきだ」という押しつけではなく、選択肢のひとつとして前向きに取り入れられるように。そんな思いで、グレイヘア特集をはしらせています。
「昨日、寝てないから」「最近、忙しかったから」……シワやくすみなどの肌の上におこる老化症状は、老化ではなく不摂生によるものでケアをすれば治るもの。そういう心の中の言い訳が通用するもの。でも、白髪は違う。たった1本であっても、圧倒的な存在感。二度とは戻れぬ老化の階段を上がっていっていることを、自分にハッキリ宣告してきます。そう、それはもちろん第三者にも問答無用にアナウンス。
だから、私たちはこの白髪の残酷なまでの正直さに、かくも打たれ弱い。
で、私の白髪問題。もともと父親が40代でほぼ白髪だったため、ずっと自分の頭部でおこるであろう白髪襲来に身構えてきました、「ハルマゲドンはいつだ!」と(笑)。3年前くらいから額の生え際に急に増えてきましたが、心の準備は整っていた私とっては、「むしろ、遅かった」とも思えるくらいの進行速度かな、と思っています。
堅い、太い、多い、黒い、そして直毛なふりして大きくうねる髪。スタイリングでも、カラーでも、どうにもニュアンスが出しづらい。この(良く言えば)健康で丈夫な私の髪は、毛先を遊ばせたり、微差を楽しむカラーリングより、大胆なカラーかカットラインで魅せるヘアスタイルがいちばん映える。
というわけで、現時点の結論。自分の髪質の見映え問題と向き合った結果、私は白髪が黒髪の分量を上回ったら、「グレイヘアに踏み出そうかな」と。それまでは今までのように定期的なカラーリング。そして、白髪が目立って気になった時はヘアマスカラとヘアターバンでカムフラージュ。
グレイヘアへの移行期間は一旦ベリーショートにして、ブリーチをしてミルクティ色にでもしてみようかな? ブリーチをしてしまえば、ニュアンスカラーを楽しめるようになるはずなので、この時とばかりにいろいろなカラーで遊んでみようかな、とも。そう考えると、今より髪型の選択肢は増えるのかもしれません。
長年、女性誌の編集者をしてきた私は、世の中に「若くあらねばならない」という呪文をかけ続けてきたわけなので(もちろん当時はそれが良いことだと思っていました)、ミモレで連載が始まった酒井順子さんのコラム『ガラスの50代』の以下の文言を読んだ時、胸が苦しくなってしまいました。
人生50年だった頃、女性達は40代で十分に、初老。「美しくありたい」といった欲求は過去のものとなり、そろそろ人生のまとめに入る年齢でした。しかし、寿命が延びてゴールがぐっと先に設定されたが故に、女性は「いつまでも若く美しく、そしてモテてもいたい」といった欲求に取り憑かれるようになったのです。
女子から婦人に移行することに抗いたい女性の気持ちを代弁するように「大人女子」という猶予期間が生まれました。さて、それはいつからいつまでなのか? そして、それはマインドの話なのか、見た目の話なのか?
少なくても私は、「女子→大人女子→婦人」とワンクッションあるよりも、「マドモワゼル→マダム」と移行がスムーズなフランスのようなムードの社会のほうが「生きやすそうだな」と思っています。
今日のお品書き
体当たり系エディター(⁉︎)ちあっきーが、最新の増毛法にチャレンジ。仕上がりのナチュラルさ(特に前髪の立ち上がり)は、たしかにすごい!
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