スタイリスト、ミモレコンセプトディレクターの大草直子が着こなしのアイデアや日々の思いを綴ります。

彼に出会ってから、2年ずっと彼の香りだけを追いかけてきました。その彼とは、調香師のジュリアン・ベデル。アルゼンチンで生まれ育ったジュアリン。小さな香水瓶の中には、彼が愛するパタゴニアの自然や思い出、タンゴやアルゼンチンの文化が展開されます。「フエギア1883」

17歳の時に、留学先のホストマザーから香水をもらってから、よほどのことがない限り、毎日香りを着ています(英語のwearのイメージです。私にとって)。それ以降、海外の空港のDFSで買ったものや夫にもらったもの。様々な香りに出会い、クロースになりましたが、2年前、ジュリアンが作るフエギア1833にを体験したときの驚きったら! 詳しいブランドの説明は、是非HPをご覧くださいね。

何て言うのかな、何とも言えないんです(笑)。自然由来のマテリアルを自在に組み合わせ、その世界観は繊細で大胆で。ふわっとまとうと、想像力は時空を超え、今まで出ても来なかった言葉が自然と出てくるような文学性がある香りって。

私はずっと、ハカランダを使っています。深く赤く、少し懐かしいような色。ローズウッドやマホガニーといったウッド系のノート。(色々試して、他にも所有していますが、結局すべての香りがドライなウッド系)その日の気温や体温、すべての人がもっているその人だけの体臭などがハカランダと1つの「自分だけのオリジナルの香り」を作り上げます。ふとした瞬間にハカランダの香りに気付くと、まるでキャラクターや夢や、大好きな言葉などが無限に広がっていくような感覚になります。フエギア1833の全てのパフュームがそうですが、植物由来の材料を使用しているので、最初に「とがった香り」が鼻に届くケミカルさとは無縁。脳にダイレクトに届き、思い出の引き出しを次々と開けてくれるイメージです。

つけていると、必ず「どこの香りですか」と聞かれるし、それは海外でも。

そして最近のお気に入りが、テキスタイルコレクション。これは「私のため」ではなく、テキスタイル、お気に入りの服のための香水。抗菌・抗ウイルス対策があり、しかも、色落ちなどを防ぐベースに、素材ごとに違う香りを1つの箱に詰めたもの。リネンやビクーニャ(カシミヤの最高ライン)、デニムなど5種類。デニムは、バタにあげました(笑)。

ハカランダなどとレイヤードもできるので、無限の楽しみがあるコレクションです。実はこの香り、ジュリアンが日本に来た時に、「あまりに洗濯ソープの香りが強いことに驚いたこと」がスタート。「服の素材にも、それをまとう人にとっても、オリジナルで個性が際立つように、ということがクリエイションの1つのきっかけだった」そう。

そう。ジュリアンの香りは、「その他大勢にならない香り」。ただし、自分の好みをセグメントし、そしてなりたい女性像をクリアにする必要があります。覚悟がいるんです。プロファイリングってやつですね。直営店では、ときに「香りのプロファイリング」もしているそうです。そうでなくても、色々と相談に乗って下さるので(私もいつも小一時間滞在。たくさん試して、結局ハカランダを買うという(笑))、近くにいらした際には是非!

大草 直子

ハカランダの美しい色。
 
店のインテリアにも、ジュリアンの美意識が行き届いて。
フラスコに溜まった空気を吸って世界観を共有します。
テキスタイルコレクション。木箱に入っています。