いまや日本人の国民病と言われる肩こり。誰でも一度は、肩こりで悩んだ経験があると思います。そんなとき、みなさんはどうやって対処していますか? 「マッサージに行って肩をほぐしてもらう」「自分または家族に肩をもんでもらう」……こういう方が多いのではないでしょうか? これは肩こりの原因が肩にあると思い込んでいるからです。でも実は「肩こりの原因は肩そのものより、手首にある」という新事実が!
『肩こりはもまずに治せる!』の著者である理学療法士の清水賢二さんによると、「現代人の肩こりの原因の多くは手首です。手首を調整しないと慢性の肩こりから抜け出せないのです!」とのこと。肩から遠く離れた手首が肩こりを引き起こす理由と、その対処法を清水さんに教えて頂きました。
スマホやパソコンでつぶれた手首が肩こりの原因だった!
「手のひらを上向きにして、手の力を抜いてみましょう。この時、親指と小指が自然に内側に向き合い、手のひらのつけ根が丸くくぼんでいれば、手首が自然にアーチを描いています。この手首アーチができている状態が本来の正しい手首です。
手首と肩は筋膜という筋肉を包む膜でつながっています。手首アーチがある状態なら、手首を通る筋肉やその筋肉を包む筋膜も柔らかく、その下を流れる血液や神経の流れがスムーズなため、肩の筋肉の動きや血流がおのずとよくなり、その結果、肩こりにはなりません。
一方、パッと手を開いたときに手のひらのつけ根にくぼみができていない人は、手首アーチが崩れています。つぶれた手首の筋肉や筋膜が血管や神経を圧迫し、肩の血流が悪化。また、手首のヨレた筋膜が肩の筋膜を引っ張って、肩の動きが悪くなり、肩こりが起こりやすくなります。
特にスマホやパソコンを長時間使っている人は、常に親指と小指を外側に開いて、手首のアーチをつぶしたまま作業しています。そのつぶれた手首アーチが、気づかぬうちに肩こりを招いているのです」(清水さん)
実際に長年さまざまなマッサージに通い、いくら肩をもんでも改善しなかったビジネスマンが手首のアーチを取り戻す施術をした途端、肩こりがラクになった例がたくさんあるそうなのです。
本来、手首は親指と小指が向き合ってアーチ状になっています。ところが、パソコンやスマホの使いすぎでこの手首アーチがつぶれると、手首から肩へつながる筋膜がヨレて、肩こりが起こります。
あなたは大丈夫? 手首アーチ崩れチェック
では、今のあなたの手首アーチ崩れをチェックしてみましょう!
▲親指と小指の爪を正面でくっつけられる
親指と小指を手の平ひら側に曲げて、親指と小指の爪を向き合うようにくっつけます。爪の先が正面で向き合えば、手首アーチが整っている状態です。
▲爪の向きがズレる
親指と小指の先をつけることができても、爪同士が正面を向かずに斜め向きになるのはNG。
▲親指と小指が正面を向けない
手首アーチが崩れて指の筋膜が引っ張られると、親指と小指を正面に向けることができません。
▲親指と小指がつかない
手首アーチが崩れて指から腕の筋肉がガチガチに硬くなると、親指と小指がつきません。
もし、爪の位置が少しでもずれるようなら、手首アーチが崩れているサインです。あなたの肩こりは、手首アーチをつくらないといくらもんでも治りません。
『手つぼみ体操』で手首から肩こりが改善する!
手首アーチが整っている状態は、普段から親指と小指が自然に向き合い、手のひらの中央が軽くくぼんでいる状態です。普段から手のひらをもんでやわらかくしたり、市販の手首のサポーターを着用して手首アーチをつくることも肩こりを軽くする方法のひとつ。
加えて、スマホやパソコンの使用後にぜひ取り入れてほしいのが『手つぼみ体操』です。
「手をすぼめ、手首アーチが整った状態で手首を上に持ち上げます。このとき、手首がまっすぐ真上に上がらずに、途中で止まっている人は手首アーチが崩れているので要注意。『手つぼみ体操』を続けることで、手首の状態が整い、肩こりがラクになりますよ」(清水さん)
1 ひじを伸ばして両手を前に出す。手の指をすぼめたら、手首から下に下げる。
2 手をすぼめたまま、手首から先を真上に引き上げる。15回×2セット行う。
肩が重いなと思ったときに、肩をもむ前にぜひ行ってみて! 腕から肩がポカポカしてきて、肩がラクになってきますよ。
清水 賢二(シミズ ケンジ)
理学療法士
骨格調整の専門家として、のべ1万人以上の施術実績があり、関節運動学に基づいた美容整体サロン『ナチュレル フェール』を運営。ホームケア商品の開発も手掛ける。著書に手首アーチ着圧サポータ付きの『こりの原因は手首にあった 肩こりはもまずに治せる!』(講談社)がある。
『こりの原因は手首にあった 肩こりはもまずに治せる!』
著者:清水賢二 1400円(税別) 講談社
「つらい肩こりは、手首からほぐす」が新常識!!
福岡の大人気サロン「ナチュレル フェール」の代表で理学療法士の清水賢二氏は、肩こりのお客様に対して、肩をもむのではなく手首をほぐして矯正する、という施術を行っています。なぜなら、手首と肩は、筋膜、筋肉、神経、血管でつながっているからです。
スマホやパソコンで手首がガチガチになっていると、筋膜がよれ、筋肉が動きにくくなり、血管が圧迫されるので、肩こりがひどくなるのです。ですから、いくら肩をもんでも、手首をケアしなければつらい肩こりは治りません!
本書では、手首をほぐして本来の形(=アーチ状)に戻し、肩につながる筋膜を整えるための簡単な3つの方法をご紹介します。
また、手首をアーチの形にキープするために清水氏が開発した、特製サポーターの付録つき。伸縮性抜群、手首のことを考え抜いてつくられた形状です!
『肩こりはもまずに治せる!』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
講談社くらしの本はこちら>>
写真/大坪尚人(講談社)
出典元:https://kurashinohon.jp/965.html
・第2回「顔のたるみと肩こりに効く!手首をほぐす「グーパー体操」」は2月20日公開予定です。
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