ステップ2 いわば「我が家のサブスクリプション=固定費」の無駄チェック

「家計簿をつけられない人」がお金を貯める3つのステップ_img0
 

まず、手取りの1割を貯めたら、次は固定費の見直しです。「固定費」とは、毎月一定額が固定で出ているお金のことで、水道光熱費やスマホ代、習い事代、保険料など。

最近、「サブスクリプション」という言葉を聞きませんか? 利用期間に応じて一定額を払うビジネスモデルのことで、例えば「1か月あたり8000円払ってラーメン食べ放題」「1か月数千円~1万円程度払えば、洋服を自由に借りられる」といったサービスのこと。

お店側としては、固定ファンがついて、一定額の収入が毎月確約されるというメリットがあり、利用者側は、お気に入りのお店を一定額で好きなだけ利用できたり、お店を選んだり、金額を考えたり比較したりする時間や手間を短縮できるというメリットがあります。

一方、利用者側のデメリットもありまして。一度利用しはじめると習慣に組み込まれ、途中で生活習慣などが変わって利用頻度が減っても、そのまま支払い続けてしまうことに注意が必要です。

まさに、家計における固定費とは、我が家の「サブスクリプション」。上手に使えているものはよいのですが、そうでないお金は、無駄に払い続けていることに。そんな無駄なお金がないかを見つけて、ぜひカットしましょう。

通帳やクレジットカードの利用明細、スマホの利用明細を見て、「これ、いったい何のお金だっけ」と、すぐに思い出せないものがあれば要チェック。実は不要なものにひたすらお金を出し続けているかもしれません。

スマホの場合は、ほとんど通話をしないのに留守番電話に入っていたり、新規契約時に加入した有料サービスがそのままだったり、ということはないでしょうか。
「通帳を見て、ヨガ(月謝制・月に何回でも利用可)にあまり行っていないと思い、行くときだけ使えるように回数券制に変えた(その方が生活スタイルに合っていて実はお得)」という女性もいました。

目を皿のようにしてという言葉がありますが、年に1回は、まさに目を皿のようにして要不要をしっかり見ておきましょう。面倒だと思うかもしれませんが、年に1回、健康診断のような感覚でやってみることをおすすめします。

 

ステップ3 浮いたお金は、その分貯める


固定費の削減により、5000円浮いたとします。「よし、これで何か買おう!」と散財してしまうと、なかなか貯まらなくなってしまうので、ステップ1の先取りで貯めるお金に追加しましょう。

手取り月収が20万円で毎月2万円貯めている人が、固定費を確認して5000円をカットした場合、2万5000円を先取りで貯めるように変更するのです。そうすれば、貯蓄のスピードはさらにアップ。

「たった5000円」だと思うかもしれませんが、積み重なると思わぬほど大きなお金になります。年齢を重ねると、5年、10年は文字通りあっっっという間にすぎますよね。月に5000円分が10年間だとどうでしょうか。

掛け算してみると、60万円。ちょっと驚きませんか?

そう考えると、固定費(我が家のサブスクリプション)の無駄を見つけて、カットして、貯めていくのは効果が高いです。そもそも、なんとなく空気を吸うように支払ってきたお金なので、貯蓄にまわしたとしても痛みを伴いません。「この外食をやめよう」「この洋服を買うのはあきらめよう」などといちいち我慢をするわけではないので、おすすめです。


「家計簿をつけられないし…」と思っている方は、まずは上記3つのステップを確認してみてください。お金が貯まり始めると、「もっと無駄なところはないか、探してみようかな」と、家計簿をつけてみたくなるかもしれません。無駄に出していたお金を少しでも貯蓄にまわしておけば、まとまったお金になり、将来自分ができる選択肢がぐんと増えるはずです。

文/西山美紀
構成/片岡千晶(編集部)
 
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