ファッションのことだったらスタイリストさんに着こなしのコツを聞きたい。お金まわりのことだって、また同じ。というわけで、金融機関で働いている「お金のプロ」の女性たちに、「プライベートではお金とどう付き合っているの?」とインタビュー。ファイナンシャルプランナー・コラムニストの西山美紀さんと、編集部員の片岡(お金の初心者)が赤裸々に聞いてみました。

<今回お話を伺ったのは……>

 

阿川ミホさん(仮名・45歳) 
仕事:保険代理店勤務
家族構成:夫(50歳) 
本人の年収:約800 ~1100万円
お金の状況:基本的に保険で貯蓄(貯蓄分は夫婦で月8万円ほど)、あとは稼ぎ続けられる仕組みを考えている

保険に入るも貯金はほぼなしのCA時代
 

西山
ミホさんは保険代理店にお勤めですが、以前はCA(客室乗務員)をされていたそうですね。

 

ミホさん
はい、新卒で航空会社に入ってCAになりました。10年フライトをした後、事務職に移ったのですが、結婚をして子どもがいなかったので、生涯できる仕事を手に持ちたいなと思って、社会人17年目くらいで転職をすることにしました。

西山
30代後半のころですね。

 

ミホさん
はい。CA時代の上司だった人から「あなたは押しが強いから、営業が向いているんじゃない?」とアドバイスをいただいて(笑)。CA関係の集まりに顔を出したら、保険会社の方に「うちで保険の営業をしませんか」と誘われたんです。私はお金の知識もまったくないし、絶対に無理ですと最初はお断りしたんですが……。お金のことを知らずにこのまま人生過ごしていっていいのかなと思って、「お話だけ聞いてみます」と出向いたら、とんとん拍子に保険会社に入ってしまいました。

西山
決まるときはすぐに決まるものですよね……。保険会社に入って、いかがでしたか。

 

ミホさん
勉強、勉強で、飛び込み営業もする修行のような日々でした。1年くらいたったころに、上司が独立することになって、「私も連れていってほしい」と伝え、今の保険代理店に転職しました。

西山
保険会社に入るまでは、お金の知識がまったくないとのことでしたが……。

 

ミホさん
20代のころは引っ越しが大好きで、引っ越し貧乏。貯蓄が全くなかったですね。たまたまラーメン屋さんで隣になった女性と雑談したら、彼女は生命保険会社の営業の人で。「あなた、保険くらい入ったほうがいいわよ」と説得され、生命保険、医療保険、年金保険に入ってしまいました。

地方に住む両親に伝えたら、「あなたが死んでも、親の私たちはお金を受け取るつもりはないから、生命保険はいらないわよ」と言われて解約することに。でも当時(1995年ごろ)は金利が高くて、営業の女性から「年金保険だけはやめないほうがいい。将来絶対あなたのためになるから」と言われてそのままにしました。超低金利の今になって、「あの時、保険を続けて本当によかった」と思っています(笑)。

西山
その年金保険、解約しようとは思ったことはなかったですか?

 

ミホさん
何度も思いましたよ(笑)。CA時代はもらうお給料をそのまま使ってしまうような生活でした。さすがにボーナス払いの保険料を払うのがつらくて……。夫が経理や財務の仕事をしているのですが、「これはいい保険だからやめちゃダメだよ」と、代わりに保険料を払ってくれて。

西山・片岡
優しいご主人……。

 

ミホさん
さらに、この保険で助かったこともあるんです。解約返戻金が貯まっていくのですが、「契約者貸付」といって、保険で貯まっている分からお金を前借りする仕組みがあるんです。私の夫が転職する前、無職のときに活用しました。

※解約返戻金とは、保険を解約したときに、戻ってくるお金のこと。ちなみに、満期より前に解約した場合、それまでに払った保険料の合計額よりも少ない場合もあるので、中途解約には要注意です。(西山)