アール・ヌーヴォーを代表する芸術家、アルフォンス・ミュシャ。彼が紡ぎだした「線の魔術」ともいえる華やかなポスターは、時代を超えて多くの人々を魅了し続けています。今回開催される展覧会「みんなのミュシャ」は、ミュシャの作品だけでなく、ミュシャに影響を受けた日本・海外のマンガ家やグラフィックアーティストの作品を含め約250点を展示。ミュシャ様式と呼ばれる独創的なスタイルが後世の芸術家にどのような影響を与え続けているのかも検証します。

山岸凉子(マンガ家)
「マンガは手塚治虫先生が
作ったものですが、その中で少女マンガには、
日本のデザイン黎明期にミュシャが与えた影響が色濃く出ていると思う」

山岸凉子《真夏の夜の夢》「アラベスク」(『花とゆめ』1975年4月9号付録ポスター用イラスト)1975年 カラーインク・紙 ©山岸凉子 

天野喜孝(画家・アーティスト)
「ミュシャの描いたファンタジーの世界に触発されて、現実の世界ではなく、想像の世界、神話性のある世界

というものを描きたいと思いました。例えば美しい女性、それを取り巻く様々な魔物とか、モンスターとか、あるいは妖精も」

天野喜孝 《ファイナルファンタジーXIV 嵐神と冒険者》 2010年 アクリル・紙 FINAL FANTASY XIV/©SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved./IMAGE ILLUSTRATION:©YOSHITAKA AMANO

 

松苗あけみ 《星座の少女》(『月刊ぶ∼け』 1989年9月号表紙用イラスト)1989年 カラーインク・紙 ©Akemi Matsunae

水野英子「オンディーヌ」(レコード音楽劇 「星のオンディーヌ」 折込ポスター用イラスト)1981年 開明墨汁、水彩、ポスターカラー・ミューズコットン紙 ©水野英子

花郁悠紀子「不死の花」(『プリンセス』 1979年8月号)1979年 丸ペン、墨汁・上質紙 ©Yukiko Kai

 

優雅なミュシャの世界を堪能


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<展覧会情報>「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ ― 線の魔術」

アールヌーヴォーの旗手とし名を成したアルフォンス・ミュシャ(1860-1939)。没後80年の今年、7月の東京を皮切りに全国6会場で展覧会が開催される。今回の展覧会でミュシャの作品と並び目玉といえるのが、ミュシャに影響を受けた日本・海外のマンガやイラストの数々。ミュシャの耽美的な作風に影響を受けたと語る、山岸凉子や天野喜孝、松苗あけみなど日本を代表するマンガ家やイラストレーターの作品も展示されており、ミュシャが後世に与えたインパクトが垣間見られる構成となっている。

会期:東京展/2019年7月13日(土)~9月29日(日)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
https://www.ntv.co.jp/mucha2019/
※他に京都・札幌・名古屋・静岡(予定)・松本の5会場で順次開催