スペイン・バルセロナの地で生まれたファッションブランド「Desigual(デシグアル)」がリブランディングを発表しました。新しいロゴと2020年春夏からスタートする新コレクションのお披露目に合わせて、ミモレコンセプトディレクターの大草直子と編集・川端が現地バルセロナへ取材。そこで打ち出されたファッションを再定義するメッセージに、大草直子が感じたこと、期待することとは……。

 

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ファッションはあまりに論理的になりすぎた
人々は面白いものを求めている

世界各国からプレスやインフルエンサーを招き、ビーチサイドのカフェで行われた「デシグアル」リローンチのプレゼンテーション。てっきり本社の会議室などに集められると思っていたので少しびっくり。カジュアルなプレゼンスタイルにもブランドのメッセージを感じました。中央の大草ディレクターの背中、見つけられるでしょうか。

デシグアルとは、「他と違うこと、同じでない」という意味。ペネロペ・クルス主演の映画『エレジー』などで知られるスペイン・バルセロナ出身の映画監督のイザベル・コイシェが掲げた「他の人と同じことはしない」をモットーに名付けられたそうです。

バルセロナの空港や街、至るところに「Desigual」のロゴの広告や巨大な路面店を見かけます。今回発表された新ロゴ(写真)はアルファベットが全く反転しているという大胆なもの。「他と違うこと、同じでない」というコンセプトをあらためて強く打ち出しています。

そのコンセプトの通り、デシグアルの店頭には、カラフルな色使い、大胆な柄やデザイン、様々な国からインスパイアされた個性的なテキスタイルやパッチワークなど、強い個性を放つアイテムが並びます。トレンドに合わせて同質化していくカジュアルブランドが多い中、一線を画す独自路線が魅力です。

本社前で開催されるショーへ、デシグアルを身につけて集まったプレスやモデル、インフルエンサーたち。

プレゼンテーションの中では、SNSやECによる国境を超えたファッションの広がりや、多様性、関係性がファッションに求められていることなど世界的な変化を解説。売れ筋を追い求め、マーケティングやデータ分析が進んだ功罪として「論理的になりすぎており、人々は面白いものを求めている」と同ブランドのディレクター。

有名無名問わず数多くのアーティストとのコラボレーションや支援をこれまでも積極的に行なってきたデシグアル。今後はさらにアーティストとの関係性を強め、「あなたたち一人一人がアーティストであり、その創造性をどう生かすかがブランドの使命だ」と語りました。

プレゼンテーションの後は、テラス席へ移動してプレスランチョンへ。DJブース前にはほぼ水着みたいな人もいて、日本のプレス昼食会とは大違い!?
他メディアのファッションエディターの方々とテーブルを囲んで。「海と太陽とビール」にテンションが上がる大草D。

地平線がくっきりと見える広い海の目の前でプレゼンテーションすることにも意味がありました。
「コレクションの11%に持続可能な素材を使用しており、シーズンを重ねるごとに、この割合を増やし続けていくのが目標です」と製造ディレクターのクララ・デルムンス氏。エコフレンドリーな製造過程やスタッフのマインドセットを強力に進めていくといいます。

「スペイン、もしくはヨーロッパのものだけであったデシグアルが、もっともっと世界でメッセージを発信していくんだなと思い、ワクワクした」と語る大草ディレクター。「そもそも、元から国や年代や、性別をあまりマーケット材料にしていないブランド。それがますます進むのでは、と感じました。サスティナブルなだけではない、企業価値や社会貢献の、メッセージの出し方を期待したい!」と、グローバル化、エシカル化が進むファッション界へ、デシグアルらしい個性的な発信に期待を寄せました。

レポート後編では、新生デシグアルのショーの模様をたっぷりレポート! 大草直子がフロントローで見たデシグアルの挑戦とは。

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撮影/三吉杏奈、川端里恵(編集部)
構成・取材・文/川端里恵(編集部)


取材協力/デジグアル
商品に関するお問い合わせ/デシグアル マーケティング部
tel. 03-5467-2688
デシグアルオンラインストア/https://www.desigual.com/ja_ JP