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雅子さまと美智子さま、二人のプリンセスを育てた名門・雙葉学園の教えとは?

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田園調布雙葉学園入学を目指す


そのころ、友人の一人から、
「雅子ちゃんは、インターナショナルな学校に入学させた方がいい」
と言われたときに、優美子さんはこう答えています。
「まず日本人でなくてはいけないと思うの。日本の歴史や文化を理解したうえで国際的なことが身につくならいいけれど、根なし草のような中途半端な日本人ができあがったら困ります。だから、雙葉にお願いしたいのよ」

雅子さま7歳。双子の妹たちとブランコに。軽井沢のホテルにて。写真/宮内庁提供

とはいえ、名門私立学校の編入試験は非常に難しいもの。そこで、優美子さんはつてを頼って、編入試験を受けるために和田育子先生のレッスンに通わせることにしました。
和田先生は、戦前から終戦の年の秋までの7年半、東京・四谷の雙葉付属幼稚園に勤務していました。その後、自分の子育てがひと段落してから、雙葉学園への入学を希望する子どもたちの指導を行っていたのです。

和田先生は、かつて幼いころの美智子さまも教えたことがありました。美智子さまは幼稚園から小学校までを雙葉学園で学ばれました。幼稚園で美智子さまを教えていたのが、和田先生です。
和田先生は、美智子さまの幼いころの様子をこう語ってくれました。
「美智子さまは協調性があって、お友だちと仲よく遊んでいらっしゃいました。お髪がくるくるカールしたお子さまで、幼稚園でございますから特別な授業はございませんでしたが、折り紙、お絵描き、なんでも上手になさいました」

なんと、戦後の二人のプリンセスが和田先生のもとから誕生したのです。和田先生ご自身も、雅子さんが皇太子妃に決定したというニュースに接したとき、不思議なご縁に感慨深かったといいます。