木村拓哉×鈴木京香、高畑充希×橋本愛の演技にご注目


ゴールデンドラマの王者的存在の日曜劇場の新作『グランメゾン東京』は初回12.4%でスタート。これまで木村拓哉主演の日曜劇場作品は『Beautiful Life~ふたりでいた日々~』(2000年)、『GOOD LUCK!!』(2003年)、『MR.BRAIN』(2009年)、『A LIFE~愛しき人~』(2017年)といった名作揃い。その中で初回の数字としては低めではありますが、第2話から数字を伸ばしたのは良い兆し。木村演じるカリスマシェフの尾花夏樹と共に三ツ星レストランを目指すシェフ、早見倫子役の鈴木京香がストーリーの鍵を握る展開に好印象を持てます。日曜劇場作品は男社会が中心の話になりがち。でも今回、尾花たちを支えるだけではなく、生き抜くためにシェフ人生を賭ける早見の存在、それをうまく体現した鈴木の潔い演技が光っています。

秋ドラマでもうひとつ注目ドラマがあります。それは高畑充希主演の“カホコ”チームが再集結したお仕事ドラマ『同期のサクラ』。第2話以降、ぐいぐい数字を伸ばしています。一桁台の8.1%でスタートするも、第2話から9.5%に一気に上昇、第4話では11.5%をマーク。遊川和彦脚本のざわざわさせるストーリー展開とメモしたくなる台詞がSNS上も賑わせ、ツイッター上でしっかりトレンド入りさせています。

【秋ドラマの注目3本】圧勝は『ドクターX』見逃せないのは『同期のサクラ』で決まり!_img0
『同期のサクラ』花村建設2009年入社組同期はこちらの面々。(左より)木島 葵(新田真剣佑)、月村百合(橋本 愛)、北野サクラ(高畑充希)、土井蓮太郎(岡山天音)、清水菊夫(竜星 涼)©日本テレビ

第3話で高畑演じるサクラが、橋本愛演じる同期役の月村百合に「ブス!」を連呼する大ゲンカ場面は今のところ今期ドラマの一番の名シーンと言っても過言ではありません。リバイバルものなど安定感を求めたドラマが並ぶなか、攻めた演技や演出が今秋のドラマ全体をけん引していくものになるのでは?と、予想しています。

 

*数字データは関東地区/ビデオリサーチ調査を基準
 

<ドラマ情報>
『ドクターX ~外科医・大門未知子~』

テレビ朝日系にて毎週木曜夜9時~放送
脚本:中園ミホ、林 誠人、香坂隆史
出演:米倉涼子、ユースケ・サンタマリア、内田有紀、遠藤憲一、勝村政信、鈴木浩介、武田真治、清水ミチコ、藤森慎吾、今田美桜、戸塚純貴、河北麻友子、川瀬莉子、岸部一徳、市村正親、西田敏行

日曜劇場『グランメゾン東京』

TBS系にて毎週日曜夜9時~放送
脚本:黒岩 勉
出演:木村拓哉、鈴木京香、玉森裕太、寛一郎、朝倉あき、吉谷彩子、石丸幹二、大貫勇輔、尾上菊之助、富永 愛、中村アン、手塚とおる、及川光博、沢村一樹

『同期のサクラ』

日本テレビ系にて毎週水曜夜10時~放送
脚本:遊川和彦
出演:高畑充希、橋本 愛、新田真剣佑、竜星 涼、岡山天音、津嘉山正種、草川拓弥、大野いと、相武紗季、椎名桔平

 

メディアジャーナリスト 長谷川 朋子
1975年生まれ。国内外のドラマ、バラエティー、ドキュメンタリー番組制作事情を解説する記事多数執筆。カンヌのテレビ見本市に年2回10年ほど足しげく通いつつ、ふだんは猫と娘とひっそり暮らしてます。

構成/榎本明日香、片岡千晶(編集部)

 

前回記事「新『おっさんずラブ』ファンの間で議論も…注目は重さんと千葉雄大のアドリブ」はこちら>>

著者一覧
 
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映画ライター 細谷 美香
1972年生まれ。情報誌の編集者を経て、フリーライターに。『Marisol』(集英社)『大人のおしゃれ手帖』(宝島社)をはじめとする女性誌や毎日新聞などを中心に、映画紹介やインタビューを担当しています。

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文筆家 長谷川 町蔵
1968年生まれ。東京都町田市出身。アメリカの映画や音楽の紹介、小説執筆まで色々やっているライター。著書に『サ・ン・ト・ランド サウンドトラックで観る映画』(洋泉社)、『聴くシネマ×観るロック』(シンコーミュージック・エンタテイメント)、共著に『ヤング・アダルトU.S.A.』(DU BOOKS)、『文化系のためのヒップホップ入門12』(アルテスパブリッシング)など。

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ライター 横川 良明
1983年生まれ。大阪府出身。テレビドラマから映画、演劇までエンタメに関するインタビュー、コラムを幅広く手がける。人生で最も強く影響を受けた作品は、テレビドラマ『未成年』。

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メディアジャーナリスト 長谷川 朋子
1975年生まれ。国内外のドラマ、バラエティー、ドキュメンタリー番組制作事情を解説する記事多数執筆。カンヌのテレビ見本市に年2回10年ほど足しげく通いつつ、ふだんは猫と娘とひっそり暮らしてます。

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ライター 須永 貴子
2019年の年女。群馬で生まれ育ち、大学進学を機に上京。いくつかの職を転々とした後にライターとなり、俳優、アイドル、芸人、スタッフなどへのインタビューや作品レビューなどを執筆して早20年。近年はホラーやミステリー、サスペンスを偏愛する傾向にあり。

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ライター 西澤 千央
1976年生まれ。文春オンライン、Quick Japan、日刊サイゾーなどで執筆。ベイスターズとビールとねこがすき。

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ライター・編集者 小泉なつみ
1983年生まれ、東京都出身。TV番組制作会社、映画系出版社を経てフリーランス。好きな言葉は「タイムセール」「生(ビール)」。

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ライター 木俣 冬
テレビドラマ、映画、演劇などエンタメを中心に取材、執筆。著書に、講談社現代新書『みんなの朝ドラ』をはじめ、『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』ほか。企画、構成した本に、蜷川幸雄『身体的物語論』など。『隣の家族は青く見える』『コンフィデンスマンJP』『連続テレビ小説 なつぞら上』などドラマや映画のノベライズも多数手がける。エキレビ!で毎日朝ドラレビューを休まず連載中。

 
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