「サステナブル」の延長で、市民権を得始めたのが「CLEAN BEAUTY(クリーンビューティ)」というキーワードです。新潮流の原点は、米国ハリウッドともニューヨークとも言われていますが、クリーンはもちろん「清潔」という意味。厳格な定義も認証マークもないようですが、肌や体に有害な成分を排除していること、自然や天然由来の原料を使用していること、環境に配慮していることなど、これらの条件を満たした化粧品のことを総称して言っているようです。肌や体に有害なものとして挙がっているのが、パラベンやシリコン、フタル酸エステル、人工香料、防腐剤などなど。加えて、動物実験を行わない、環境に配慮しているかなども大きなポイントです。
たとえ肌や体に優しい処方でも環境に優しくないものはNG、「サステナブル」への配慮もまた「クリーンビューティ」の条件であるようです。
「クリーンビューティ」をブランドのフィロソフィーとして掲げ、2019年にクリーンビューティ宣言をしたのが「ベアミネラル」。ミネラルファンデーションのパイオニアが次に目指すのが「クリーンビューティ」という揺るぎない価値観です。
また、先日産声をあげたばかりの新ブランド「ahtletia(アスレティア)」も、クリーンビューティを堂々宣言するブランドのひとつ。
原料は不要なものを使わずに、独自に循環型農園で栽培したものを採用、リサイクルガラスは90%以上、FSC森林認証を受けた再生紙を採用するなど徹底しています。
もちろん、オーガニックコスメのパイオニアである「ヴェレダ」や「ジュリーク」、「AVEDA(アヴェダ)」なども「クリーンビューティ」のパイオニアと言えるかもしれません。
「クリーンビューティ」が台頭してきた背景にあるのは、大気汚染やデジタル&ストレスフルなライフスタイルなど、環境変化による敏感肌の増加といった問題です。過酷な自然環境や、変わりつつあるライフスタイルに心や肌がついていけない、そんな人が増えているのです。だから、不要なものは極力排除したいし、スーパーで食品を買うときと同じように、化粧品に配合されている原材料表示を注意深く観察してしまうのだと思います。
「クリーンビューティ」がすべての人にとっての正解だとは言えませんが、環境に優しいのは明らかですし、「クリーンビューティ」への意識が高まることで、自分自身が、そして自分を取り巻く環境がクリーンになっていけば、こんなに嬉しいことはありませんよね。
今後、「クリーンビューティ」への関心がより高まれば、定義もクリアに。それは私たちがつくり上げていくことだと思うのです。
Comment