子どものお世話になりたくないから、仕事をしている
そして、そもそもの疑問。専業主婦に憧れていた東原さんは、なぜ今も仕事を続けているのでしょうか。
「それには明確な理由があって。子どもを産んだときに子どもが想像以上にかわいくて、『将来この人たちの世話になりたくない』って強く思ったんです。生活のすべてを子どもに依存して、かわいいかわいいと言って育てて、子どもが自立した瞬間、私はどうなるんだろう……って。きっとそのときには更年期が重なって気持ちもどん底で……」
この思考こそが東原さんなのだと、これまでのお話を聞いているとわかります。いつだって自分の将来を冷静に考え、リスクを洗い出し、今できることの一手を打つのです。
「自分の会社で商品をつくると、広告のお仕事は受けられないジャンルのものが増えるので、事務所にもお話したんです。でも自分の心は決まっていました。これだけ景気も悪くなっているので、いつくるかわからない広告のオファーを待つより自分で動いたほうがいい。いい意味で、私は社会に守ってもらえるという期待はしていません。貯金して、自分も家族も守らないと」
清々しいまでに潔い。
お話するまでは、子どもに囲まれて柔らかな笑顔を浮かべる幸せなお母さんというイメージだったのが一変、肝の座ったなんとも男前な女性でした。「子どもが巣立ったあとは何をしたいですか?」の質問にもこんなお答えが。
「子どもが巣立ったら、もう仕事はしません。モデルの仕事も加齢に抗ってまでやろうと思わない。重力に負けてきたなと思ったらきっぱり辞めます。会社も売っちゃいます(笑)。子どもにも世界に飛び立ってもらって、その地を転々できたら最高ですね」
東原さんは、きっとその言葉通りきっぱりと仕事を辞めて、世界に飛び立ってしまうのでしょう……。そう納得させる意志の強さがある女性でした。でも、東原さん。その頃にはお孫さんも生まれて、またたくさんの子どものお世話で忙しいかもしれませんね。
『life is good - 東原亜希の幸せな家族をつくる日々 -』では、東原さんの今の素直な気持ちを綴ったインタビューもたっぷり収録しています。
<書籍紹介>
『life is good - 東原亜希の幸せな家族をつくる日々 -』
東原亜希 著 2000円(税別)
井上家の1年を追いかけたドキュメンタリースタイルブック。
4人の母として多忙な日々を送りながら、モデル、実業家としても活躍中の東原亜希さんに1年を通して密着取材。
母としての姿勢、子育てや仕事との向き合い方、東京オリンピックで監督を務める柔道家 井上康生さんを支える姿、夫婦のことなど、今だから知りたい! を詰め込んだ1冊。東原亜希さんの飾らないリアルな生活を大公開します。
取材・文/宮島麻衣
構成/片岡千晶(編集部)
「夫・井上康生さんの素顔も。家族の1年を追ったドキュメンタリースタイルブックとは【東原亜希さんインタビュー前編】」はこちら>>
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