日本全国各地で新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。個人レベルに落とし込めば、感染が身近に差し迫ってきているということです。あなたに、あるいはあなたの身の回りの方に感染が起こったら、どのように動けば良いか十分シミュレーションはできているでしょうか。

仮に、あなたに37度台の微熱とだるさの症状が出たとします。少しだるさはあるけれど、動けないほどではなく比較的元気。感染者と接触した記憶はない。コロナウイルス感染かもしれないけれど、そうではないかもしれない。ただの風邪かもしれない。

そんな時、あなたはどう動きますか?同僚に仕事の負担をかけたくないから、出勤しますか?それともすぐに休みをとりますか?

写真:Shutterstock


会社を休む、休まない。判断基準はどこ?


コロナウイルス 感染症の症状は、発熱、だるさ、せき、食欲低下、筋肉痛、息苦しさなど多岐に渡ります。ここに書いたものが主な症状ということになりますが、最も頻度の高い症状であると言われてきた発熱も、報告によっては4割の人にしかなかったとするものもあり、信頼できる基準とは言えません。

また、各国からの報告を見ると、急に出現する匂いや味覚の異常で気づかれる例、皮膚の発疹、下痢や吐き気といった症状からコロナウイルス感染症と診断される例も報告されています。

とすると、何か限られた症状を頼りにコロナウイルス 感染かどうかを判断すると間違えることになりそうです。

区別に苦労する風邪やインフルエンザの患者数が減ってきたいま、特にコロナウイルス感染が蔓延してきた地域では、蓋を開けたらコロナウイルス感染だったという確率は一層増えてくるでしょう。

このため、その症状がなんであれ、体調を崩したら、一歩立ち止まって休みを取ることが大切です。「私は下痢しかないから違う」ではないのです。

 



部下に「体調が悪い」と言われたら、上司はどうするべきか


少し見方を変えると、もしあなたが上司なら、部下が休みやすい雰囲気を作っておくことが大切です。

なぜなら、もし感染していたら、多くの社員に感染させ、かえって迷惑をかけることになるかもしれないからです。会社名が公開され、社会的な損失も生んでしまうかもしれません。そして何より、自分自身の体調回復のために休まなければなりません。

しかし、もし体調を崩しても、イコール、コロナウイルス 感染というわけではないことにも注意が必要です。発熱やだるさ、匂いを感じにくいといった症状は、いわゆる風邪でも出ることのある症状です。このため、症状だけを根拠に、発病したとしてSNSに情報をばらまくといった行動は不適切と言えます。


自分が体調を崩したら


体調を崩したら、自宅にとどまり、まずは会社に連絡を入れましょう。会社は、産業医や保健所に連絡をとり、その後の対応を相談する必要があります。

そして、よく休みましょう。あまり周りのことを心配する必要はありません。まずは自分の体調回復優先です。特筆したいのは、多くの方は、治療などなしに自然回復していく病気だということです。もちろん何かご不安があれば、医療機関に連絡してください。

もし熱があり辛ければ、それが何度であれ、アセトアミノフェンやカロナールと呼ばれる解熱剤を飲んでいただいてかまいません。また、熱が出ると、汗で水分を失いやすくなりますから、水分補給をこまめにしましょう。

そして、自分の症状を日々よく観察してください。メモを取っておくのもいいかもしれません。その上で、もし症状が悪化してきているなと感じたら、その時は医療機関に連絡をする時です。特に、咳や痰、息切れといった症状が強くなってきていたら、肺炎のサインかもしれません。その場合には速やかに医療機関に連絡を取りましょう。
 

 
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