新型コロナウイルスによる感染拡大を防ぐため、米国ではエコバックを禁止する動きが出ています。日本でも非常事態宣言が発令されたことで、従来の常識が大きく変わる可能性も出てきました。こうした非常時においては、何事も柔軟に対応する必要がありそうです。 

 

米国のサンフランシスコ市は2020年3月31日、感染拡大を防止するため、市民や企業に対して、スーパーなどでエコバッグを使用しないことを求める声明を発表しました。

 

米国では環境意識の高まりから、これまで買い物にエコバッグを持参することが推奨されてきました。しかし、ウイルスの感染が広範囲に拡大していることから、繰り返し使用するエコバッグの表面にウイルスが付着し、周囲に感染を拡大させる可能性が高まっています。

このため一部のスーパーでは、顧客に対してエコバッグの持ち込み自粛を求める状況となっていましたが、事態が深刻になっていることから、いよいよ行政が乗り出してきた格好です。

エコバッグは頻繁に洗うものではありませんから、感染者が保有しているバッグにはウイルスが大量に付着している可能性があり、店員さんや、他の顧客に感染が広がるリスクがあることは否定できないでしょう。同市では当分の間、紙袋が使われるとのことです。

これまで、使い捨ての袋はできるだけ使わないというのがある種の一般常識となっていましたが、今回の感染拡大では、その常識は一旦リセットとなってしまいました。

日本でもこうした動きを受けて、エコバックの利用を躊躇する人も増えているようですが、このような話は単純に言葉だけで理解しては危険であり、少し想像力を働かせることが重要だと筆者は考えます。

エコバッグ禁止については、日本では自分で袋詰めするのでアメリカとは状況が異なり問題ないとの意見でも出ていますが、確かにその通りであり、店員さんがバッグを触るケースとそうでないケースでは感染リスクは違ってきます。重要なのはエコバッグではなく、むやみに他人と間接的、直接的に触れる機会があるかどうかでしょう。

 
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