「洋服、合わせる小物、ヘアスタイルはあれこれ考えるのに、顔＝メイクは”別モノ”にしてしまって、本当にいい？」−−− そんな、とってもシンプルでベーシックな疑問に、メークアップアーティストの水野未和子さんと考えます。
三人目のゲストは、美容エディターの松本千登世さん。メイクもコスメも精通している千登世さんに、水野さんはどんなメイクを施すのでしょうか。仕事仲間であり、プライベートでも仲良しというお二人の楽しいやりとりも、どうぞお楽しみに！
水野未和子（みずのみわこ） 3rd所属。米国留学後、ロンドンにてメイクアップアーティストとして活動。メイクアップに対する独自のセオリーと洗練されたセンスで、女優やモデルからも絶大なる支持を集める。CMや広告、雑誌の表紙も多数手がけている。
Instagram：mizuno.miwako
松本さん：「未和子さんと撮影の現場で会うことは会っても、お仕事でメイクをしていただくという経験はあまりないから、今日はとっても楽しみにして来ました（笑）」
水野さん：「私も本当にうれしい！今回この企画を考えた時に、ぜひ千登世さんにも登場してもらいたいって思っていたんです。今日のデニムスタイルは、プライベートの千登世さんのイメージですね」
松本さん：「このデニムはもう相棒のような存在。もうずっと穿き続けているものなの。だからデニムと言われたら、やっぱりこれしか思いつかなくて」
水野さん：「私の中では、千登世さんって、むしろこういう大人のカジュアルスタイルが素敵で、とってもおしゃれな方という印象。でももしかしたら読者の方には新鮮なのかな？古着のリーバイスと千登世さんって意外な組み合わせって思われそう」
松本さん：「そうかもしれませんね。こういうデニムスタイルも好きですし、モード感のあるもの大好きですね」
水野さん：「いつもはエレガントな印象だからこそ、ちょっと遊び心を加えてみたいなって思って。今日のメイクのポイントは目元とリップにしますね。千登世さんの魅力でもある、意外性があって、チャーミングな一面が引き立つように。黒目も大きいから、少しだけ囲うことで、より潤んで愛らしい目になるんです。リップもふっくらつやつやに」
「大人の白シャツに清潔感を足すメイクのポイント」はこちら＞＞
松本千登世さんのデニムメイクとは？
「目元は黒目を引き立たせ、リップはグロッシーに。可愛らしさとモード感を、さりげなくミックスさせて」
松本さん：「未和子メイクのおかげで、洋服も喜んでいる（笑）。これはもう、装いの印象とメイクの相乗効果に尽きますね。おしゃれ心も上がる！」
水野さん：「千登世さんは、私が改めて言うまでもなく美人さん。均整も取れていて。だからね、その美しさを全部生かしてしまうと、隙がなくなってしまうの。それに、お洋服は意外とエッジが効いているものがお好きでしょう？ お顔にはほんのりとモード感を加えながらも、可愛さも残して、遊びというか余裕を持たせているイメージ。デニムカジュアルをよりちょっとラフに仕上げようと思ったんです」
松本さん：「楽しい！（笑） この『メイクって楽しい』という気持ちは、メイクの醍醐味。いくつになっても、ずっと大切にしていたいなって思います。私の顔に、こんなふうに少しラフな雰囲気を加えてくれるのは、さすが未和子さん！」
水野さん：「千登世さんって、知れば知るほどチャーミング。その魅力をちゃんと表に出したかったんです。連載でお伝えしているこの企画のテーマは『人が透けるメイク』。川良編集長、エディター＆ライターの松井さんにもお話し続けてきたのですが、私が提案したかったのは、人を変えるメイクというのとは違って、大人こそ、その人の魅力をメイクでさらに引き出そう、ということなんです。おしゃれとメイクの印象がちぐはぐになってしまう人が、大人にこそ多い気がするのは、メイクのテクニック如何の問題というより、もっと本質的なところにあるかなって。自分の魅力の解釈にこそある気がしていて」
松本さん：「私たちのように美容に携わっていると、日々進化を続ける革新的スキンケアとかメイクアイテムとか、そういう”点”の情報につい偏ってしまうことがありますよね。老いを隠そうとしたり、抗ったり。確かに技術の進歩は素晴らしいし、それを知っておくことでヒントが増えることもあります。でもそれで『自分ではない』を叶えようとするのは違和感があるなって。メイクも同じですよね。まずは自分をしっかりと見つめて、受け止めて。嫌なことを数えて手放す作業をするよりも、愛して、慈しみながら付き合っていく方が健康的で、発展的。大人の美しさの本質って、深いのだけれど、もっともっとシンプルに解釈してもいいのかなって」
水野さん：「本当にそう思います。今日のデニムスタイルも、人間味っぽいところをもっと前に出したいなって衝動に駆られました（笑）。もともと美しい形の眉毛を生かして、アーモンド型で幅の広いきれいな目元には、ブラウンのアイライナーを効果的に入れて。表情のあるデニムや、カラーブロックのニット、トレンド感のある足元と、おしゃれがお好きな千登世さんらしさを、ぎゅっと目元に凝縮させるイメージ。それから、リップですね。色はニュートラルなのですが、ガラスのようにグロッシーで、エッジが効いているでしょう？でもこれが透明感をもたらしてくれて、全身の印象をぐっと軽やかにしてくれているんです。ヘアスタイルもあえてラフな感じが素敵！」
「デニムの日の定番・赤リップ。プロが勧める旬の1本とこなれる塗り方」はこちら＞＞
- 1
- 2
Comment