何か違うって思っても、その場では言わないかな


仕事の現場では、波風を立てずに平和が一番。基本的にはそのスタイルを崩すことはないという神木さん。では、どうしても納得できない出来事に直面したときは、どんな方法で心を整えているのでしょうか。

「僕は何か違うな…って思っても、その場では言わないようにしています。遊びに誘われても行きたくなければすぐにきっぱり断れるし、先輩に飲めと言われても嫌です！　ってはっきり言えるんですけど（笑）。大勢の人たちの中でひとりが場を乱すようなことをやった時には、まぁまぁってその場を抑えつつ、自分の中にはモヤモヤが残ったりすることもあります。そういう時にはあとで母親に相談しますね。僕はどうしたらよかったんだと思う？　この気持ちは自然なことだったのかな。最善のやり方ってなんだったんだろう…？　って。母親のことを尊敬しているし、信頼しているので、素直に話せるんでしょうね。一方的なコミュニケーションではなくて、母親も“私もあなたから学ぶことがある。ハッとさせられることもある”って言ってくれます。基本的に子供って小さい頃は親の知識がまず入ってくるじゃないですか。そこをベースに友達や周りの人たちのいろんな影響が入ってきて、自分のオリジナルなものができてきたと思っています」

 
 

仕事人としての抜群の安定感とコミュニケーション能力、同世代の俳優たちの多くが心を許す穏やかなキャラクターを支えているのは、「かわいげのある人でいなさい、という母親からの教え」なのかもしれません。ミモレ世代としてはどうすればこんなにも対等で、風通しのいい親子関係が築けるのか、その秘訣も気になるところです。

「うちはケンカが多いんですよ（笑）。でも親子だからこそすぐにケンカもするし、すぐに仲直りもできる。20歳前後くらいまではわずらわしく思うこともありましたけど、年齢を重ねるうちに重みが増してきたのは、“私はあなたを否定するために言っているんじゃなくて、愛しているから、よくなってほしいから言っているんだよ”っていう言葉。10代の頃は、そうだとしてもうるさいよ……と思っていたし、誰しもそういう時期はありますよね。でも少しずつ心に響くようになってきました。親から子供への言葉として、即効性はないけどじわじわ効いてくる言葉です（笑）」。

 

神木隆之介　Ryunosuke Kamiki
俳優。1993年5月19日生まれ。2005年、映画『妖怪大戦争』で主演を務め、『第29回 日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞。以降、映画『桐島、部活やめるってよ』、『SPEC～結～』シリーズ、『るろうに剣心』シリーズ、『バクマン。』、『3月のライオン』や、NHK大河ドラマ『義経』、日本テレビ系ドラマ『探偵学園Q』など様々な作品に出演。また、アニメ映画『千と千尋の神隠し』、『君の名は。』などの話題作に声の出演でも参加。

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＜ドラマ紹介＞
「連続ドラマW 鉄の骨」
毎週土曜22時よりＷＯＷＯＷプライムにて絶賛放送中(全5話)

ベストセラー作家・池井戸潤原作、発行部数62万部を超える吉川英治文学新人賞受賞作「鉄の骨」（講談社文庫）を神木隆之介主演でドラマ化。欲望やしがらみが絡み合う談合の世界で、若手社員が自らの理想と会社員としての使命のはざまで葛藤する姿を描く。

 

中堅建設会社「池松組」入社4年目の若手社員・富島平太（神木隆之介）は、不器用ながらも建設現場を愛する実直な男。そんな平太がある日突然、畑違いの「業務部」へ異動を命じられる。そこは公共事業などの大口案件の受注を担当する、「談合部」と揶揄される部署だった。くたびれた顔の部長や、長年業務部に在籍する頼れる先輩、泰然自若とした女性の先輩、池松組を支える切れ者の常務らとともに２０００億円規模の公共工事の受注を目指す平太は、やがて談合を取り仕切る業界のフィクサーとの交流を深め、欲望やしがらみを目の当たりにする。
談合は“必要悪”なのか―。平太は“理想”と“現実”の間でもがきながらも会社の命運を握る仕事にやりがいを見いだしていく。一方、入札は大胆な技術革新に成功した平太たちがリードするが、そこに老練なライバル社の幹部たちが立ちはだかる。さらに大物政治家の官製談合を追う検察特捜部も動き出し、やがて平太にも捜査の手が伸びる。果たして入札のゆくえは、そして会社と平太の運命は……。

WOWOWにて、4月18日（土）夜10時より全５話放送。４月25日（土）夜10時より第二話放送予定。WOWOWメンバーズオンデマンド（見逃し配信あり）。

放送予定、見どころと予告映像はこちらから＞＞

原作：池井戸潤「鉄の骨」（講談社文庫）
脚本：前川洋一（「連続ドラマＷ　アキラとあきら」、「連続ドラマＷ　沈まぬ太陽」）
監督：鈴木浩介（「CRISIS公安機動捜査隊特捜班」、「連続ドラマＷ　アキラとあきら」）　北野 隆（「いだてん ～東京オリムピック噺（ばなし）～」）
音楽：羽岡 佳　（「連続ドラマＷ　アキラとあきら」、「連続ドラマＷ　トップリーグ」）
出演：神木隆之介　中村獅童　土屋太鳳　小雪 ／ 柴田恭兵 ／ 向井 理　石丸幹二　内野聖陽
皆川猿時　宮川一朗太　木下ほうか　長谷川朝晴　橋本良亮（A.B.C-Z）　小手伸也　利重 剛　六角精児　宮崎美子　西岡德馬
特設サイト：https://www.wowow.co.jp/dramaw/tetsunohone/

池井戸潤原作ドラマ「連続ドラマＷ　空飛ぶタイヤ」「連続ドラマＷ　下町ロケット」「連続ドラマＷ　株価暴落」「連続ドラマＷ　アキラとあきら」
ＷＯＷＯＷメンバーズオンデマンドにて配信中

撮影／Junko Yokoyama (Lorimer management+)
スタイリング／百瀬豪
ヘアメイク／MIZUHO（vitamins）
取材・文／細谷美香
構成／川端里恵（編集部）

 

　
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