繊細でリアルなカップルの描写にドキドキが止まらない!
「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」
あらすじ:恋に仕事になかなかうまくいかず、パッとしない毎日を送るジナ。そんなジナをいつも励ましてくれる大親友ギョンソンには、ジュニという弟がいて、ジナの弟スンホとも親友同士で家族ぐるみの付き合い。仕事で渡米していたジュニは3年ぶりに韓国に戻り、ジナに再会します。同じビルに入る会社にそれぞれ勤務していたこともあり、多くの時間を共にする機会も増え、ただの幼なじみからいつしかお互いがかけがえのない存在に…。
主人公のふたりが恋に落ちていく様、そしてカップルの日常がとにかくリアルなんです。ふたりの甘いシーンは言葉より表情で魅せていくことも多く、男女の心の機微を繊細に、印象的に描いています。背景に流れるオールドポップス、レイチェル・ヤマガタさんが歌う「Something in the Rain」も情感たっぷりにグッとドラマを盛り立ててくれます(オリジナルサウンドトラックもよかったです!)。恋人同士の自然なスキンシップも多く、恋愛を擬似体験できる!と話題になったほど。
“年下男性”のジュニ役チョン・ヘインさんはベビーフェイスの笑顔が本当に愛らしくて、観る前まではむしろ可愛すぎるかな?と思っていたのですが、自然体の演技に男らしさや爽やかな色気と多彩な魅力があって、このドラマで大ブレイクしたのも頷けます。私もすっかり虜に…! ジナ役のソン・イェジンさん(日本でもヒットした映画『私の頭の中の消しゴム』のヒロインで、話題となったドラマ『愛の不時着』のユン・セリです)は非の打ちどころのない、もう納得の“綺麗なお姉さん”。でもジナのどこかちょっぴりうまくいかない感じや感情のゆらぎを見事に表現していて、さすが名女優!と膝を打ちました。ひとり残業中に「私が1番イケてる」という曲をかけながらノリノリで踊り出し、ジュニにこっそり見られているという恥ずかしいシーンがあるのですが、ダンスが意外にうまくて本当にイケてました(笑)。
そしてこのドラマはラブストーリーでありながら、社会が抱えるさまざまな問題も強烈に描いています。会社でのセクハラ・パワハラ問題、プライドの高い元カレによるつきまといや嫌がらせ、毒親など…。ふたりの周りにはたくさんの試練があります。ジュニと再会するまでは、流されて半ば諦めていたような生き方をしていたジナも、ジュニという心強い存在を力に自分を奮い立たせ、これらの問題に立ち向かっていきます。
恋するふたりの眩しさと対照的な世間の世知辛さ、年下男子の真っ直ぐさと年上女性の現実に対峙する姿は観ていて胸がギュッとさせられ辛い場面も。けれど、ふたりの最高のケミストリーは最後まで必見ですよ!!
なかなかタイトルにもインパクトのある2作品。日本語に訳すとなんだかすごい感じになるタイトルのものが韓国ドラマにはよくあるのですが、そのドラマのテーマや韓国ならではの表現が盛り込まれていて慣れるとなかなか興味深いんです。「ロマンスは別冊付録」は、本が大きなテーマのひとつでもあることから、“別冊付録”という言い回しを用いているのでしょうし、「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」は年下男性がヌナを誘いたいときに「今度ごはんおごって♡」と甘えるのが一番だったという、年功序列を重んじる儒教文化を感じる面白いタイトルだと思います。タイトルで食わず嫌いして観るのを後回しにしていたら名作だった、ということもしばしば!
以前は仕事が忙しいときにうっかり1話を観てとまらなくなり、自分の首をしめたこともあったのですが(汗)、今は自粛生活で多少時間があるので、素敵な作品を観たりしながら元気やときめきをもらって、英気を養っています。
みなさんのおすすめの作品もありましたら、教えていただければ嬉しいです♡
構成/幸山梨奈
mi-molletで人気があったため再掲載しております。
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