コロナ後、教育が変わる

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ステイホームの影響でITリテラシーが向上すると、働き方だけではなく、子どもたちの教育方法にも影響がでます。
教育現場にオンラインが導入されることによって、これからの教育は「ハイブリッド型」が主流になると僕は見ています。ハイブリッド型というのは、知識を与える教育は主としてオンラインで行い、それ以外の探求力を養う教育や情操教育などは、仲間とオフラインで育むという2本立ての教育のことです。

 

実は、知識教育はオンラインで行う方が、より個々人にフィットした教え方ができます。オンライン教育だと、一人一人がパソコンやタブレットといった端末を操作し、オンラインの教材で学習をするわけですから、習熟度や発達段階に沿った内容で学習できるのです。子どもがきちんと習得内容を理解したら、次の学習項目が表示されるような仕組みに設計できるということです。

一人一人に合わせた知識教育は、とくに低学年の子どもたちに高い効果を発揮します。低学年だと、子どもたち同士の発達度の差が大きいのです。例えば6歳0ヵ月の子と6歳11ヵ月の子の発達度にはかなりの違いがあります。

また、習熟度についても同じ事がいえると思います。現在の教室では、理解が早い子どもと、理解に時間がかかる子どもが同じ教室で学んでいるのです。オフラインの一斉教育だと、そのどちらもフォローすることが難しい。ですが、オンラインだとそれが叶います。オンラインだと子どもに応じた速度や内容で教えることができるのです。

実際、世界中の成績上位者が集まる大学として教育関係者の間で注目の的になっており、「学びの最高峰」とも称されるアメリカのミネルバ大学の授業は、100%オンラインで行われています。

では、オフラインのクラスはなぜ必要なのかというと、学びの動機付けです。ミネルバ大学では、学びを動機づける仕組みとして「ピア・ラーニング」を導入しています。ピアというのは英語で仲間という意味。学生は全員寮に入り、仲間同士のコミュニケーションを通じて、お互いに刺激し合うことによって向上心や競争心が生まれるのです。

基本的になまけものの人間を、仲間同士で刺激しあい、動機付けを行う仕組みがピア・ラーニングです。もともと、人類は集団保育で賢くなってきた歴史を持っているので、自然な形だと感じます。

コロナショックがITリテラシーを高めた結果、単純な知識教育はできるだけオンラインに任せ、探求力の涵養などをオフラインの集団で行うという、ミネルバ大学式ハイブリッド型の教育がいよいよ日本でも進んでくるでしょう。

そうなると、ITリテラシーは子どもや教育現場だけではなく、家庭でも必須のものとなります。この変化に備えて基本的なITリテラシーをおさらいできるおすすめの本を紹介します。

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次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』山本康正著 講談社
技術の進歩、なかでもよく話題に出てくるキーワードがわかりやすく描かれた本。すらすら読めます。

この本では、「AI、5G、クラウド」など、これからの時代を引っ張るキーワードの説明がとてもわかりやすく書かれています。単語としては知っていても、「何ですか」と聞かれると説明が難しいもの。この機会に、この本で、これからを支えるITの基礎知識について学んでおくとよいのではないかと思います。


今回は二冊の本を、紹介しました。
変化する働き方や、教育方法について備えるための二冊です。

『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』で未来の働き方を先取りし、
『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』でITに関する基礎知識をおさらいする。

このようなときだからこそ、変化のポジティブな面をどんどん享受できるよう、積極的に、読書をして、学んでいきましょう。

構成/大西奈緒

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