仕事を支えるのは深く信頼し合える人間関係

【小柳ルミ子芸能生活50年】40歳の人生の転機、芸能界の妹のような歌手との交流_img5

 

当時は事務所からの独立するということは、芸能活動を大きく制限されることを意味していました。が、小柳さんはその後も変わらず歌手、女優として活動し続けただけでなく、むしろ活動の幅を広げていったほど。
それは小柳さんの人柄、そして「とことん誠意を尽くす」という人付き合いの哲学が大きく影響していたのでしょう。
「私は決して友人がたくさんいるというわけではないんですけど、皆、すごく付き合いが長いんです。典型的な“狭く深く”ですね。
いい作品を作るために、これまで事務所の方たちともたくさんケンカをしましたけど、それはケンカができる信頼関係があったからでもあると思うんです。
おかげで独立後は、様々な個人のルートからもお仕事の話をいただけて本当に感謝しています」

 

かわいい妹のような存在の松田聖子さん


歌手仲間のなかでも、小柳さんは世話好きで、一度仲良くなるととことん面倒を見ることでも知られていました。その一人が、あの世紀のアイドルと言われた松田聖子さん。

「聖子ちゃんと仲良くなったきっかけは……、本当に縁だなと思うんですけど、たまたま
彼女が上京してご両親と暮らしていた家と私の家が近かったこと。
彼女のお父さんはデビューに猛反対されていたこともあって、私のことを『娘を守ってくれる存在』と頼りにしてくれていたんです。『ルミ子ちゃんのようなお姉さんがいてくれたら安心です。娘を妹のように思って守って下さい』と。

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だから私が聖子ちゃんの家に電話すると、『おーい、お姉ちゃんから電話だぞ』なんて言われるような家族ぐるみの関係でした。それでしょっちゅう聖子ちゃんの家に遊びに行っては、いろいろな話をしました。彼女がデビューして以来、ずっとそんな関係。
今もメールでやり取りしたり、プレゼントを贈り合ったり。ずっと私のかわいい妹です。本当に、あらためて私は出会いに恵まれた人間だなと思いますね」

次回はなぜ、小柳さんはあえて危険を冒しながら新しいイメージに挑戦し続けたのか。事務所独立後の活躍についてその真意を伺います。

取材・文/山本奈緒子
撮影/Junko Yokoyama (Lorimer management+)
構成/片岡千晶(編集部)

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