やる気を行動に移すスイッチを入れるには、「やろう」という気分をもりあげるのもひとつの方法。「〜したい」と言ってみるのです。

言葉には「言霊(ことだま)」といって、不思議な力が宿ると、日本では昔から信じられてきました。言葉の力でやる気をもりあげていくのです。自己暗示といえるかもしれませんが、言葉にすることで、やる気がふくらんできます。 

 

たとえ本心ではないと思っても、「〜したい」と言ってみましょう。一回で気持ちが変わらないのなら何度も言います。最初はしぶしぶ言っていても、くり返すうちに気分が変わってくるでしょう。

●「~したい」の代わりに、こんな言葉でもOK
「楽しそう」「おもしろそう」「簡単、簡単」「できる!」

●「~したい」の代わりに、こんな言葉はNO
「だって~だから」「どうせ~だから」

また、やるべきことをなかなか始められないのは、「完璧にやるべきだ」と思っているせいかもしれません。「私は完璧主義だ」などと自覚していないかもしれませんが、100点満点をめざしているのなら、完璧主義です。ADHDの人は、100点をめざすのは難しいのが現実です。がんばりすぎて自分をすり減らすだけ。がんばりすぎないことが大切です。

100点でなくていい。できない自分をダメだと思わず、75点でよしとします。そして75点できたら、自分をほめましょう。
 

 

【75点でOK!「手抜き」の方法アイデア集】


●食器洗い
・食洗機を買う
・刺身などは買ってきたパックのまま食卓へ
・洗う食器の数を増やさないようにワンプレートに盛る
・油のついていないものは洗剤を使わずお湯だけで洗う

●洗濯物の片づけ
・ハンガーで干してそのままクローゼットへ
・ノーアイロンの服だけ買う
・ワイシャツはクリーニング
・靴下などは、たたまずに収納

●職場では
・締め切りは余裕をもたせて設定
・困ったときに相談できる人を決めておく
・できそうもないときには、早めに相談する
・確認やリマインドをお願いしておく

ADHDの人が、家事や仕事を先延ばしにせずに全部やろうとすると、大変なことになります。

ADHDがあると、情報の取捨選択や優先順位をつけるのが苦手です。あちこち気になったり思いついたりして、動きまわることになります。活動量が増えるので、疲労困憊。体調をくずすことになるでしょう。