45万部以上の大ベストセラーとなっている、キングコング西野亮廣さんの絵本『えんとつ町のプペル』。絵本業界の常識を覆す完全分業制でつくられたことが話題になりましたが、今度は絵本の枠を超えて、9月にはミュージカル、12月には映画と、新たな展開が予定されているのをご存知でしょうか?今回は、コロナ禍なのに手を止めることなく制作され、多くのファンを巻き込んでいると話題のミュージカルについて、その秘密を制作チームに伺ってきました。
 

絵本『えんとつ町のプペル』をニューヨークのオフブロードウェイで上演するはずが、コロナで大打撃

【キングコング西野亮廣】名作絵本『えんとつ町のプペル』が映画にミュージカルに!_img0
ミュージカルの原作は絵本『えんとつ町のプペル』。にしのあきひろ著(幻冬舎)¥2000  新R25のサイトで絵本が全編無料公開されています。大人も泣けるストーリーです!

ニューヨークに渡った元劇団四季の俳優をリーダーとしたチームが、絵本『えんとつ町のプペル』を題材とした作品をつくり、オフブロードウェイで上演したいと西野亮廣さんにお願いしたことから、ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』の制作がスタート。

【キングコング西野亮廣】名作絵本『えんとつ町のプペル』が映画にミュージカルに!_img1
ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』制作チームの主要メンバー。[左上]プロデューサー:小野功司さん、[中上]アソシエイトディレクター:中山大輔さん、[右上]振付:撫佐仁美さん、[左下]アシスタントディレクター・翻訳:工藤優子さん、[中下]ディレクター・翻案・英歌詞:Jessica Wuさん、[右下]作曲家:Ko Tanakaさん

絵本『えんとつ町のプペル』はハロウィンを舞台にしているため、2020年9月19日に初演を迎え、ハロウィンで千秋楽を締めるというスケジュールでこの作品はつくられていきました。

ですが、2020年3月。
新型コロナウイルスの大きな波がニューヨークを襲い始めます。
結果、すべてのブロードウェイミュージカル公演の中止が決定。それに伴い、『Poupelle of Chimney Town』をオフブロードウェイで上演するという夢も打ち砕かれることに……。
 

 

コロナ禍の今しか見られないオンライン公演にシフト!9月19日(土)と20日(日)に公開が決定

【キングコング西野亮廣】名作絵本『えんとつ町のプペル』が映画にミュージカルに!_img2
2日間の前編、後編ともが見られるチケット(1枚¥5000)は、クラウドファンディングから購入ができます。

そんな中でも諦めずに、上を見続けることを決めたニューヨークのチーム。
コロナがなければ開幕日として予定していた9月19日、20日にオンラインで公演をすることを決めます。ですが、ニューヨークのコロナ被害は日本よりも甚大で、いまだに打ち合わせや稽古で実際に集まることはできません。

そこで、俳優やミュージシャンが自分で自宅録画したものをつなぎ合わせ、Zoomを使いひとつの映像作品をつくることに!コロナ禍の今しか観られない形をつくりあげることで、“生で観ることが醍醐味”というミュージカルの概念を覆すことに成功したのです。

関連記事
両親や祖父母のためにできる4つのこと【医師の推奨】#コロナとどう暮らす>>


『Poupelle of Chimney Town』の製作費を集めるクラファンは、1か月足らずで1000万円を突破!

【キングコング西野亮廣】名作絵本『えんとつ町のプペル』が映画にミュージカルに!_img3
「プペルブロードウェイ」のオンライン公演を開催したい!というクラウドファンディングは、コロナ禍でも苦労しながらどうにか前に進もうとしているチームの熱い思いに多くの支援者が集まり、あっという間に目標金額の1000万円を達成。

このミュージカル『Poupelle of Chimney Town』がすごいのは、まだ公開されたことのないミュージカルなのに、もうすでにたくさんの方に応援されているということ。
その理由は、キングコング西野亮廣さんのオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」にて、ニューヨークでまったく実績のない日本人を中心としたメンバーがオフブロードウェイを目ざして作品をつくることの大変さを正直に告白していたり、コロナを始め、さまざまな困難にぶつかりながらも前向きに挑戦していく姿を包み隠さず公開したりしたことがきっかけだと聞きました。オンラインサロン内で応援のネットワークがどんどん広がり、サロン外の方も巻き込んだ結果、約2000人近い支援者に繋がったそうです。
 

コロナで仕事が激減して落ち込んでいたときに救ってくれたのがこのミュージカルのYouTube動画
 

これは筆者の私自身の話になってしまうのですが、日本で4月に緊急事態宣言が出されたことがきっかけで、編集者としてのメインの仕事である撮影はどうしても対面でしか行えず、密になりやすいという理由からすべてキャンセルに。フリーランスという立場なので、仕事がない=収入がないを意味します。
そんな状態で落ち込んでいるときに、上を向いて前に進んでいかなきゃという気持ちにさせてくれた動画がこちらです。

外出禁止令が出されたニューヨークに住む俳優やクリエイターが自宅録音で歌っているのですが、その状況にも励まされましたし、何より歌詞が心にしみるんです。この動画は何度見ても涙ぐんでしまいます。だから、あと2週間後に迫ったミュージカル『Poupelle of Chimney Town』の公開が今から楽しみで仕方ありません。
チケットはある程度直前までクラウドファンディングで買えますので、よかったらチェックしてみてください。

関連記事
コロナで収入激減!フリーランス編集者の今とこれから>>


ミュージカルのオンライン公演の予告動画を公開!

ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』オンライン公演の予告編が公開されたので、こちらで紹介します。録画はそれぞれの自宅で、編集作業もオンラインにて遠隔でおこなわれたので、一緒に作品をつくっていながら、まだ一度もリアルで対面したことのないメンバーがいるそう!これぞ、否が応でもオンライン化が一気に加速したコロナ禍だからこその作品のおもしろさですね。


『映画えんとつ町のプペル』は2020年12月公開予定

【キングコング西野亮廣】名作絵本『えんとつ町のプペル』が映画にミュージカルに!_img4
『映画えんとつ町のプペル』のビジュアル。映画のチケットは「BASE」で購入可能。

ミュージカルのオンライン公演の次には『映画 えんとつ町のプペル』も控えています。こちらは西野亮廣さんが制作総指揮をとられていて、アニメーションなので、またミュージカルとは違った魅力がありそうで、今から楽しみにしています


取材・構成・文/高橋香奈子