タレントのアン ミカさんとともに、人生の第二ステージ「セカンドステージ」を前向きに考えていく連載です。

夫婦・親・子どもとの関係や職場の人間関係や自分自身の将来や健康など、人生の第二ステージを前にしたミモレ世代の悩みのタネは尽きません。今回はミモレ読者から寄せられたお悩みをアン ミカさんとともに考えていきます。

熱意が見えない20代スタッフの教育、どうしたら?【アン ミカさん】_img0
 

日常の変化を嘆くのではなく、この悩める時間を、これからの人生を前向きに舵取りしていくための準備期間に充ててみませんか?

 

【画像】アン ミカさんのプライベートと毎日のファッション>>

【仕事にまつわるお悩み】

こんにちは。アン ミカさんの発信している言葉にいつも「なるほど!」と腹落ちしております。インスタグラムもフォローさせていただいており、本当に本当に大好きです!

私は、地方でエステの仕事に就いて30年、お店を経営して17年になります。
これまで何名ものスタッフとともに働き、独立するスタッフを見送ってきました。しかし、最近20代の新人スタッフの教育に悩んでいます。

今、私のお店には25歳前後の新人さんが3名いるのですが、本当に欲が見えないのです。「お金を稼ぎたい」「自分のお客さんを増やしたい」そういった熱意が見えず、売り上げがなくても平気な顔をしています(仕事は時給制ではなく報酬制なので、働かなければ稼げない……のにです)。

「接客のためのロープレをしますよ」と10日前に告知をしておいても、いざ当日「何を勉強してきた?」「どういうことを話そうと思ってきた?」と聞いても黙っています。「自分の長所はなんだと思う?」というような質問にも沈黙……。何をしたいのかわかりません。入社したときには「エステをしたくて」と語っていたのに。

彼女たちは何も指示をしないと、ずっと机でエステのオンライン講習を見て勉強しています。「じゃあ、今日はどんなことを覚えた?」と聞いても、答えられないのです。

お店には30代のスタッフはおらず、40代のスタッフはいるのですが、20代の子をどうやって育てたらいいか相談すると「細かく指示を出すしかない」とのこと。加えて、今は「あれやって」などと指示するとパワハラになる可能性もあるので「あれやってもらえますか?」と言わないといけないなどと聞いて、びっくりしてしまいました。“繊細さん”なる人も増えているとか……。

そんなことを気にしながら、少しオブラートに包んで話をするとうまく伝わらず、なんだか逆効果のような気もしています。

もちろん、20代の若者みんながこうだとは思いません。うちのスタッフもできない子ではないように思うのです。その上で、今うちの若手スタッフが、もう少し気働きができるようになるためにはどのように育てていったらいいのでしょうか? アンミカさんならどのようにお話ししますか? 自発的に先のことを考えて動ける人材になってほしいと思うのです。
(チャッキー・58歳)


熱意は教えることができません


チャッキーさん、ご相談ありがとうございます。このお悩みは、私のまわりの50代の友人からも最近よく聞きますし、私自身も感じているところがあります。

まずズバリ申し上げると、これは年代の差というよりも「熱意の差」によるものが大きいと思います。

人が仕事をするには、目標があるかどうかがとても大切です。おそらくチャッキーさんは、エステを通して「人を美しくするお手伝いがしたい」とか「人の喜ぶ顔が見たい」という目標があると思うのですが、そのスタッフの方たちは「エステティシャンになること」が目標なので、もう達成してしまっているのではないか……と思います。

学ぼうとするのは、目標があり、向上欲があるからすることです。オンライン講習も、目標を持って見れば今の自分に足りないものに気づくことができますが、彼女たちは「動画を見なさい」と言われているから見ているだけなので、何を学んだのか答えられないのです。そもそも学ぶつもりで見ていないから。

仕事とは、「事に仕える」と書くように、「この物事に仕えるのだ」という精神がとても大切だと思います。その思いがあれば、謙虚さが生まれ「何か仕事ないですか?」と自主的に聞く姿勢も自然と出てくるはず。だから「細かく指示を出すしかない」というのも難しいところで、これも全部「言われたからやりました」になってしまうんですよね。こういった気持ちの部分は教えることができないので本当に悩ましいです。

私のまわりの20代の方々に聞いてみたのですが、「今は仕事が第一ではなくプラスアルファという考えの人も多い。まわりの友人も仕事は普通にやって、趣味の時間を大事にする人が圧倒的に多いです」と話していました。今は選択肢がたくさんある世の中なので、仕事後の趣味やプライベートの時間に熱を向ける人も多いのでしょう。

だから、この問題はやはり「熱意のギャップ」にあると思います。本当は、チャッキーさんが面接をする際に熱意がある人を選ぶことをオススメします。あなたが背中を見せていくしかないのですが、背中を見ない人を雇っても仕方がないからです。ともすると「うちの社長ってがんばり屋なんですよね」「先輩は仕事が好きなんですね〜」などと平然と言われてしまったり……。

 
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