恋愛・結婚で「相手の欠点」をスルー!
夫・彼氏との仁義なき戦いを終わらせる

ドイツ版「やめてみた」で70万部ヒット!片づけにも人間関係にも役立つスルー力とは?_img2
 

どんなに気を許していても、どんなに好きでも、もっとも身近だからこそ気になってしまうのが夫や彼氏のクセ。ラインヴァルトさんの場合は、パートナーに何度注意しても直らない、“床に脱ぎ散らかされた靴下”を拾い集めているときに卒倒しそうなほどムカつくのだそう!

 

「あらためて振り返ってみれば、わたしはほぼ10年以上、毎朝パートナーの靴下のことで怒ってきた。信じられる? 10年も! たかが靴下のことで! これは合算すれば、かなりの量の怒りだ。それに何より……もし仮に靴下のことで怒らずにこの10年を過ごしてたら、どうなっていたと思う? 答えは、そう。“何も変わらない”だ。結局わたしは靴下を拾って、洗濯機に入れるわけだから。だったら怒るだけムダじゃない?」

そうしてラインヴァルトさんが辿り着いたのは、「怒らなければ、怒らずにすむ」という境地。ブッダの教えでは、もう少しわかりやすく次のような表現になるようです。

「怒りに固執するというのは、誰かに投げつけてやろうと熱い石炭をつかむようなもの」

確かに、身近な人に怒りをぶつけ続けるというのは、体力も気力も削がれるもの。自分のためを考えても、決して喜ばしいこととは言えません。

「というわけで、わたしは決意した。“変えようがない他人の欠点にいちいち怒るのはやめよう”って。そこでおすすめなのが、こんなふうに考えてみること。
パートナーは靴下に関して、ちょっと特殊な目の障害を抱えてるんだ。これは布製の履きものだけが視覚的に知覚しにくくなる病気で、だからパートナーが反応できないのも当然ってわけ。おそらくこの症状は、よく知られてる“床上ぼんやり症候群”とも深く関わってるんだろう。ちなみにこれは、床付近における布類全般への知覚力が低下する病気」

ひきつった笑顔で「それも個性ね!」と言い聞かせるわけでもなく、もはや自分にはどうにもできぬ……と呆れモードで白旗を上げるのがラインヴァルトさん流。チェックリスト【夫や彼氏によく見られる“症例”とその“診断”をまとめてみた。】では、歯磨き粉チューブのふたを閉めない行動について、「重度の歯磨き粉チューブふた恐怖症」と命名するなど、思わず吹き出してしまいそうになる“診断”結果も。

「あなたもこれを機に夫や彼氏の欠点リストをつくってみよう。ポイントは、あなたが日々ムカついてる症例と、考えられる“医学的な原因”を書き出すこと。すべて書ききったら……思いっきり華麗にスルーするべし!」

10年以上に及んだパートナーとの靴下戦争に終止符を打った、ラインヴァルトさんの恐るべきスルーテクニック。こんなふうに相手の欠点を客観的に捉えることができれば、毎日がちょっとだけ気楽になるかもしれませんね。

もっと軽やかに、思うままに、今日も明日もスルーしまくろう! と心が軽くなること請け合いの一冊です。
 

著者プロフィール
アレクサンドラ・ラインヴァルトさん:
作家・プロデューサー。1973年、ドイツ・ニュルンベルク生まれ。スペイン・バレンシア在住。広告代理店で撮影コーディネーターやコピーライターとして働くかたわら執筆活動を開始。誰もが日常生活で直面する問題を掘り下げ、解決するまでを軽妙に描くスタイルが支持され、複数の作品がベストセラーになっている。

 

ドイツ版「やめてみた」で70万部ヒット!片づけにも人間関係にも役立つスルー力とは?_img3
 

『ホントはやなこと、マジでやめてみた 誰にもジャマされない「自分の時間」が生まれるドイツ式ルール42』
著者:アレクサンドラ・ラインヴァルト 訳者:柴田さとみ 画:瀧波ユカリ 飛鳥新社 1400円

ドイツで出版されるやいなや、ノンフィクション部門の第2位にランクイン。その後もドイツ国内で多くの共感を呼び、70万部を超える大ベストセラーに。漫画家・瀧波ユカリさんのイラストと共におくる、著者の痛快スルーエピソードを詰め込んだ待望の日本版です!


構成/金澤英恵
この記事は2020年11月11日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。