被災時の備えの一つとして、非常時でもできる調理法を覚えておきませんか? 材料をポリ袋に入れて湯せんをする”袋クッキング”なら、ゆで湯は繰り返し使えるので自宅避難中や炊き出しでも活躍します。また1人分ずつ作れるので、衛生面でも安心です。
そんな、手軽にできる非常時レシピを、『2021 お料理家計簿』よりご紹介。温かい料理は被災時の大きな力となりますから、平常時に試しておくのをおすすめします。

 


焼きとりカレーライス


 材料(1人分)
ご飯
A| 無洗米……1/2合(75g)
 | 水……100㎖

カレー
じゃがいも……50g
玉ねぎ、にんじん……各20g

B |焼きとり缶……小1缶(75g)
  |水……80㎖
  |カレールー……20g

 作り方 
1 ポリ袋にAを入れ、空気を抜きながら口を縛り、30分ほどおく。

2 じゃがいもは2㎝角、玉ねぎ、にんじんは5㎜厚さに切り、別のポリ袋にBとともに(焼きとり缶は缶汁ごと)入れ、空気を抜きながら縛る。

材料を入れた袋を水に沈め、底のほうから手で押すと水圧で空気を抜くことができる。

3 鍋にたっぷりの湯を沸かし、1、2を入れ、20分ゆでる。

4 米の袋を湯から出し、縛り口近くに小さな切り目を入れ、袋の上から軽くもんでほぐす。10分ほど蒸らし、器に盛る。

口を縛ったまま蒸らすと、米がつぶれてしまうので、ゆで終えた米の袋は縛り口の近くを少し切って空気を入れる。
やけどしないように袋をふきんなどに包んで持ち、手で軽くほぐす。このひと手間でご飯がふんわり仕上がる。

5 カレーの袋を湯から出し、全体が均一になるように袋の上からもんで混ぜ、4にかける。



豆苗入りチーズオムレツ

 


 材料(1~2人分)
卵……2個
マヨネーズ……大さじ1
豆苗、ピザチーズ……各20g

 作り方 
1 ポリ袋に卵を割り入れてマヨネーズを加え、袋の上からよくもんで混ぜる。
2 豆苗は2㎝の長さに切ってチーズとともに1に加え、空気を抜きながら口を縛る。
3 鍋にたっぷりの湯を沸かし、2を入れ、へらなどで棒状に形をととのえ、15分ゆでる。
4 袋を湯から出し、そのまま2~3分おく。オムレツを取り出して食べやすい大きさに切る。



【袋クッキングのポイント】

 

■用意するもの
耐熱ポリ袋(高密度ポリエチレン袋)
大きめの鍋
鍋に入る大きめのざるまたは耐熱皿

■注意点

 

・大きめの鍋に湯をたっぷり沸かし、鍋底にポリ袋が触れないよう、ざるや耐熱皿などを敷く。
・ポリ袋は耐熱温度が100度以上で、少し大きめのものがよい。
・ポリ袋に材料を入れたら、できるだけ空気を抜き、袋の上部を縛る。
・鍋の湯が入らないように、しっかり縛る。
・鍋にポリ袋を入れたら、静かに沸騰する火加減を保ってゆでる。
・ポリ袋に残った空気が膨張して浮き上がってきたら、時々返して均一に火が入るようにする。

『2021 講談社お料理家計簿』シリーズ(全3回)第1回「いざという時も役立つ、保存食をもっと美味しく食べるアレンジアイデア」>>
第2回「【防災テク】非常時も温かい料理が食べられる「袋クッキング」を知っておこう!」
第3回「カラダを温める"酢"で冷え知らず!冬を乗り切る消化&血行促進レシピ3」11月24日公開予定

 

『2021 講談社お料理家計簿』
著者 講談社

日本一売れている料理+健康家計簿『お料理家計簿2021』。71年目を迎える2021年版も「一生続けたい」と長年愛用しているファンの期待を裏切らない内容で刊行します。豪華人気料理家陣によるレシピと献立例は、毎日のごはん作りにも重宝。「四季のおもてなし料理」「非常時、緊急時の調理と備え」「免疫力をアップする」など気になる特集も掲載。健康・経済・暮らしまわりの豆知識などもバラエティーに富み、より充実した内容となっています。例年通り、付録に「レシピ付きカレンダー」と「お料理下敷き」つき。


伊藤晶子

女子栄養短期大学を卒業後、料理研究家のアシスタント、料理教室スタッフなどを経て、2009年に独立。作りやすさとおいしさを兼ね備えた料理と評判。雑誌・料理教室・企業メニュー開発などで活躍。令和元年東日本台風の時、現地で炊き出しをスタートさせたことから感じた実感のあるレシピを紹介。


料理製作/伊藤晶子
 撮影/斎藤浩(本社写真部)
 スタイリング/ダンノマリコ
構成/庄司和以