「朝に鼻水がひどい時の対処法や予防法、鼻水が止まらない時にどうするのがいいかを教えて欲しいです」

今回の記事は、ペンネームlukaさんからいただいた、こんな質問にお答えしていきたいと思います。

ここで、すぐに対処法をお伝えできれば良いのですが、残念ながらそういうわけにもいきません。

「鼻水が出た」「膝が痛い」何か症状が出ると、その対処法はないかとインターネットで調べ、出てきた解決策につい飛びついてしまうかもしれません。ですが、その前に少し立ち止まってみてください。症状の解決法にすぐに飛びつくのは、実は近道のように見えて遠回りなのです。

パソコンが正常に起動しない時、すぐにその解決策を見つけられるでしょうか?充電が切れていないか、スイッチはオンになっているかなど、まずは何が原因かを考えるのではないかと思います。

病気についても全く同じことが言えます。どんな症状であっても、まずはその原因を考えることが大切です。なぜなら、原因によって対処法も180度異なることがあり、原因を見誤ると薬の効果が期待できないばかりか、無用に副作用の害にあってしまう可能性もあるからです。

このため、鼻水がなぜ出ているのか、その原因を見極めていくことが大切です。

 

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【質問1】鼻水の原因にはどのようなものがありますか?


大きく分けると、感染性のもの、アレルギー性のもの、それ以外のもの、と分類できます。

感染性のものには、風邪やインフルエンザ、副鼻腔炎と呼ばれる感染症などが含まれます。また、新型コロナウイルス感染症でも、鼻水の症状が出る方も珍しくありません。

実は先日、「鼻水がひどくて、アレルギーだと思うのですが」という患者さんがいらっしゃいました。思い当たるアレルギーの症状や原因を聞いてもなかなか出てこず、これは新型コロナウイルスでは、と思って検査を出してみると、検査が陽性でした。検査をせず、「アレルギーだと思うのでアレルギー薬を出しておきますね」なんてアドバイスしていたら、その後どうなっていたでしょうか。想像するだけで、ゾッとします。

一方、アレルギー性のものには、日本人の国民病とも言える花粉症やハウスダストアレルギーなどが含まれます。実に3割までの成人がアレルギー性の鼻炎を経験するとも言われますから(参考1)、かなり多くの人を困らせている病気であると言えるでしょう。

その他のものとしては、例えば天候の変化や大気汚染によるもの、辛いものを食べた時に鼻水が出るというもの、ピルの内服や妊娠に関連した鼻水というのも報告されています(参考2)。

こういった原因からどれにあたるのかをしっかりと検討し、その原因にアプローチしていくプロセスが、症状の解決のためにとても大切なのです。
 

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