【質問2】鼻水の原因はどのように区別すればいいですか?


まず、感染性の場合には、発熱やせき、喉の痛みなどの症状に注目します。これらの症状があれば、風邪のような感染症らしく、鼻水の原因も感染症の疑いが高まります。また、通常のウイルス感染であれば、1週間程度で治ることがほとんどですから、年中鼻水が出ているという場合には、ウイルス感染の可能性を高率に除外することができます。

また、副鼻腔炎と呼ばれる感染症の場合には、細菌が原因のこともあり、この場合には1週間を超えて症状が長引くこともあります。しかし、細菌感染の場合にはウイルス感染と比べて高熱が出やすく、39度を超える高熱が出たり、膿のような汚い色をしたドロっとした鼻水が出たり、顔に強い痛みを出したりします。このような症状がないかを確認して区別していきます。

一方で、アレルギーの場合には、水のようなさらさらした鼻水のことが多く、鼻の奥のむず痒さやくしゃみが出たり、鼻だけでなく目にも痒みを感じたりするのが典型的です。花粉症など季節性のあるアレルゲンが原因の場合には、特定の季節だけに症状を出す一方、ハウスダストやペットの毛などに対するアレルギーの場合には通年で症状を出します。感染性と比べると、持続期間が長いという特徴もあります。

それ以外の原因として、タバコの煙や天候の変化、辛いものが原因で鼻水が出ることもあります。これらの場合には、決まったものが引き金になって症状が出るので、誘因が自覚できていることが多く、比較的原因の特定は容易かもしれません。

また、妊娠やピルの内服に関連して鼻水が出るという方もいます(参考3)。妊娠関連の鼻水は、典型的には妊娠期間の最後の1~2カ月で起こり、出産後は2週間以内に症状が消失すると報告されています(参考2)。これは、ホルモンの変化などが原因と考えられています。妊娠のどの時期にでも起きうると報告している論文もあります(参考4)。

これらアレルギー以外の原因の場合には、アレルギーの場合と比較して、目や鼻のかゆみ、くしゃみといった症状は出にくく、鼻づまりや後鼻漏のような症状にとどまりやすいという特徴があります。

こういった症状の出方の違いから、原因を区別していくことができます。

また、症状がひどい場合には、病院でいくつかの検査を追加することで、さらに原因を区別しやすくなることもあります。

 


【質問3】なぜアレルギーで鼻水が出るのですか?


アレルギーのある方は、特定のアレルゲンに対して体の一部が過剰な反応を起こしてしまうようになっています。例えば、花粉症の方が花粉を吸い込むと、鼻の粘膜が花粉に敏感に反応するようになってしまっており、即座に鼻で免疫反応が起こり、肥満細胞と呼ばれる細胞が活発に活動をし始めます。この肥満細胞は、ヒスタミンと呼ばれる物質たくさん作り、それを鼻の粘膜の下で放出していきます。ヒスタミンには、血管を拡張させたり、粘液を分泌させたりする働きがあり、これにより鼻水がたくさん出てくることになります。

花粉症で抗ヒスタミン薬という薬を処方された経験がある方もいらっしゃるのではないかと思いますが、抗ヒスタミン薬を使うのはこのためです。
 

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