ドラマ&タレント分析記事を各誌で手がけているライター山本奈緒子さんと、ドラマウォッチャーの編集者N。
長年にわたって芸能記事を企画し、当たるドラマ、ブレイクする俳優を嗅ぎ取る能力においても信頼度バツグンの2人に、ドラマの見どころや行く末について、皆様に披露してもらう短期集中連載です。
ライター山本奈緒子 タレントインタビューや流行事象の分析記事を専門としており、仕事柄、話題のドラマ、映画はほぼ全てチェック。女性誌「ViVi」でブレイク前の若手男子を発掘する「tokyo boy cam」を連載。爬虫類顔の男性が好みで、好きな芸能人は綾野剛、Kiss My Ft2の藤ヶ谷太輔など。
編集N 究極のテレビ愛好家でドラマウォッチャー。女性誌で長年、芸能記事を担当。イケメンのジャッジにおいては人一倍厳しく、雰囲気イケメンを許さない。好きな俳優は木村拓哉と妻夫木聡。
コロナ禍のお正月は名作日本ドラマを
山本 間もなくお正月休みということで、今回はお互いのオススメの、お正月一気見ドラマを出し合いましょう。のんびりドラマ三昧とか、ワクワクするわ~。
編集N 私はアマゾンプライム派なのですが、アマプラは日本の名作過去ドラマが豊富で、ほぼ見尽くしました。
山本 イチオシは?
編集N 心を癒してくれる系なら、安定の『JIN-仁―』、そして『カルテット』、『凪のお暇』あたりかしら。『仁』は2シーズンあって見ごたえあるし、ノンストレスだから一気見にはかなりオススメです。
山本 仁! 奇遇にも今まさに見ているところよ。大沢たかお演じる医師の南方仁が幕末にタイムスリップして、未来の医療を施すというストーリーも純粋に面白いけど、何だか江戸時代ならではの人の温もりが感じられてまた良いのよねえ。
編集N 音楽もいいですよね。あと、キャスティングがとにかく素晴らしい。主演の大沢たかおも良いけど、内野聖陽の坂本龍馬のまた最高なことといったら。
山本 内野聖陽、素晴らしい! この数年後、『きのう何食べた?』で一転、乙女な男性役をやるとは……、本当に恐ろしい演技力だわ。ただ『仁』は治療シーンだけは、最中に考え事を始めたり毎回邪魔が入ったりで、早く治療して!! とハラハラしますが。
編集N まあ、とっくに死んでるよね、ということが多いですけど(笑)。でも『仁』はコロナ禍の今の時代にも絶対しっくりくると思う。実際、コロナが始まった頃に再放送されたら、みな取りつかれたように見ていましたよね。救われるって。
山本 それはすごく分かるなあ。
昨日の授賞式は演出の坪井さん(右)と山本さん(左)、そして、、みすず役の #吉田羊 さんも!吉田羊さんは作品部門優秀賞 単発ドラマ 「2020年 五月の恋」(WOWOW)も授賞🎉こちらもおめでとうございます㊗️
— 金曜ドラマ『凪のお暇』(なぎのおいとま)🌻@TBSテレビ (@nagino_oitoma) October 30, 2020
そして…今夜は『#恋する母たち』第2話だ❗️#黒木華 #凪のお暇 pic.twitter.com/lAzNkcirac
TBSテレビ金曜ドラマ『凪のお暇』(なぎのおいとま)公式ツイッターより
編集N 『凪のお暇』は、人生をいったんお休みして自分を探す、というストーリーだし、年末のゆるめな気分に合いそう。
山本 だけど凪って、本音を言えなくてまわりに合わせてしまう“繊細さん”な人じゃん? 同じようにものをハッキリ言えない人は、ドラマを見ていると苦しくなるらしいよ。
編集N えっ、なんで!? 自分を見ているようだから!?
山本 そうそう、テレビでもそういうのを見るのがツラいんだって。
編集N そういうものですか……。そう聞くと、季節的には『カルテット』もオススメだなと思ったんですけど、こちらも人生にいろいろ抱えている人たちの話ですから、重たく感じる人もいるかもしれないですね。
山本 でも『カルテット』もすごくいいドラマだよね。あれは週1回の放送で見るより、まさにお休み中とか心に余裕のあるときにまとめ見して、見た人それぞれが何かを感じる、というドラマだと思う。
人情味あふれる食ものドラマならハズす心配なし!
編集N アマプラはWOWOWの日本ドラマもたくさん配信しているのですが、WOWOWは意外とあまり知られていない名作サスペンスをいっぱい作っているのですよ。とくに私のオススメは、三上博史主演の『震える牛』。BSE問題を扱った本格サスペンスで、すごく面白いのです。
山本 なにっ、そのドラマは初耳だわ!
編集N 食品偽装事件の裏側を暴く警察官と、ジャーナリストの話です。かなりマジメなストーリーで、癒しとかはないですけど。
山本 個人的には警察ものが好きだから、是非見たいわ!
編集N こちらも暗めですが、妻夫木聡と竹内結子の『イノセント・デイズ』もとても良かったです。でも、年末はもう少し、心温まる系か救われる系で現実逃避したいですかね。
山本 そういえば昔、Nさんはオススメの小説をよく貸してくれたけど、基本、心にズシンとくるものが多かったよね。桐野夏生の『グロテスク』とか、角田光代の『八日目の蝉』とか。
編集N そうそう、大好きなのです、そういうのが。
山本 なぜだろう、Nさんじたいはこんなに竹を割ったような性格で、闇とか一切ないのに。興味深い……。
編集N あっ、でもひたすら疲れた心を癒してくれるほっこりドラマを思い出しました。『パンとスープとネコ日和』。小林聡美主演ののんびりスローライフ食ものドラマです。
山本 何それ、めちゃくちゃお正月休みに良さそう!
編集N いつもサンドイッチを作ってるんだけど、それがすっごい美味しそうなの。
山本 名作映画『かもめ食堂』みたいな感じですかね? あれもご飯が最高に美味しそうだったけど、食のクオリティが高い作品って癒されすぎる……。
編集N ちょっとした人間ドラマも入っていて、私的には東の『孤独のグルメ』、西の『パンとスープとネコ日和』という感じなのです。甲乙つけがたい癒される食シーンがいっぱい。
山本 お休み中なら、ドラマで見た料理を作る余裕もあるかもしれないし、まさにお正月休みに最適ですね。
編集N 食ものなら、他に『深夜食堂』も。王道ですけど。
山本 『パンとスープとネコ日和』、『孤独のグルメ』、『深夜食堂』。人間味あふれる食もの三連発! こう聞くと、Nさんは人間味のあるドラマが好きなんだね。私はあんまり情緒とかはないエキサイティング系が好きなので、そこら辺のドラマはあまり意識がいってなかったなあ。
編集N 何でしょうね、情に深いところがあるから?(笑)
山本 うっ……。でも次は、私オススメのエキサイティング系ドラマを紹介するわ。休み中ぐらい何も考えたくないという人には最適なはず!
イギリスならではの情緒が溢れる『名探偵ポワロ』はオススメ
編集N 山本さんはネットフリックス派なのですよね? ネトフリの日本ドラマは何があるんですか?
山本 『おっさんずラブ』とか『ドクターX』とか『きのう何食べた?』とかいろいろあるけど、ネトフリは海外ドラマがとにかく秀逸なので、そっちばかり見ています。とくに私の好きなエキサイティングものが多いの。
編集N エキサイティング……。たしかに日本のドラマが弱そうなところですよね。
山本 代表格は『ストレンジャー・シングス』。子供からティーンに変わる頃の少年少女たちの成長物語と、まさかのエイリアン&超能力ものがミックスした、アメリカらしい“息もつかせぬ”系です。だからまあ、一応情緒もありますよ。
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