下記は、今まで韓国で観客動員数を集めた日本アニメーション映画の順位となります。

1位 『君の名は。』(2017) / 観客動員数:373万2561人
2位 『ハウルの動く城』(2004) / 観客動員数:301万5165人
3位 『千と千尋の神隠し』(2002) / 観客動員数:200万人
4位 『崖の上のポニョ』(2008) / 観客動員数:151万8188人
5位 『借りぐらしのアリエッティ』(2010) / 観客動員数:108万5513人
6位 『天気の子』(2019) / 観客動員数:71万4880人
7位 『名探偵コナン 漆黒の追跡者』(2009) / 観客動員数:66万1550人
8位 『名探偵コナン 沈黙の15分』(2011) / 観客動員数:64万4652人
9位 『猫の恩返し』(2002) / 観客動員数:53万1544人
10位 『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』(2017) / 観客動員数:50万9555人

韓国で人気を集めた歴代の日本アニメーション映画を見てわかるのは、新海誠監督と宮崎駿監督の圧倒的な人気です。感受性の豊かさを感じさせる世界観のものが韓国で最も人気を集めています。それとともに、「名探偵コナン」や「ポケットモンスター」など、テレビアニメーションや漫画で親しみを持ち、キャラクターや物語性が強いものも固定のファンが多く、興行成績に直結しています。

ちなみに、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、今の勢いからすれば上記のTOP10にはもちろん入るでしょう。ですが、新海誠監督や宮崎駿監督のアニメーションほどの興行成功を遂げるのかは、正直なところ、まだ未知数です。個人的な意見となりますが、100万人以上の観客動員数を突破するには、「コロナ禍の壁」があります。また、これからの1週間の反響が大きく影響を及ぼすと思います。


「ゾンビ系」の物語が、韓国では大人気


「鬼滅の刃」の「鬼」のように、「感染する」「タフで人間を襲う」「人間を主食としており、人肉や血を渇望している」といった特徴を持つ「ゾンビ系」の物語は韓国でも大人気です。アニメーションファンにのみならずゾンビ物語が好きな人も多く、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』に高い関心を示しています。日本の優れたアニメーション演出、興味をそそる「ゾンビ物語」の要素、人間の正義を考えさせる教訓的メッセージ、これらが韓国の観客にとって、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を見たくなる要素となっています。

追加で韓国事情を少し加えますと、韓国では2016年7月に公開した映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』の大ヒットをきっかけに、この数年間、ゾンビ系の映画やドラマが急増しています。代表的な作品と言えば、グローバル動画配信サービスを通じて海外でも話題を集めたネットフリックスオリジナル韓国ドラマ『キングダム』(2019・2020)、『スイートホーム』(2020)から、映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』の4年後を舞台とした『新感染半島 ファイナル・ステージ』(2020)、『生きている』(2020)などがあります。このようなゾンビ系の作品は韓国国内でも大きな反響を呼び、次々とシリーズ化される作品も登場しています。

 

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