「この人と一生暮らすなんて無理」「裕福じゃなくていい、何にも縛られず自分らしい人生を歩みたい」。近年の価値観の変化にコロナ禍の影響もあってか、最近、離婚を考える女性が増えています。ただし、離婚の件数が急激に増えているわけではありません。女性たちを踏みとどまらせる要因は、やはり「経済面の不安」と「子どもの存在」のようです。

60歳から始めたブログで話題のショコラさんも、そんな葛藤を乗り越えた一人。40歳目前で夫との別居を決意したショコラさんがまず考えたのは、生活のためのお金と、まだ高校生だった息子二人との距離をどう保つか、でした。

母の役割は維持しつつ、心が離れてしまった夫と別居するには? 今回は新刊「65歳から心ゆたかに暮らすために大切なこと」から、当時40歳のショコラさんが実践した一風変わった別居のかたちをご紹介します。

 



40歳近くになって考えた。 一生一緒には暮らせない。


年子の下の息子が小学校に入った4月から、パートで働き始めました。自分のお金があるのは本当に心強く、コーヒー一杯飲むのも、服を買うのもうれしさが違います。忙しい毎日でしたが、充実していたと思います。

ところが、6〜7年が経った頃、結婚生活がどうにも苦しくなってきました。
夫が浮気するとか、働かないとか、そういうわかりやすい理由ではなかったけれど、何かが違う、と思い始めたのです。

いまの言葉にすると「モラルハラスメント」になるかもしれません。結婚当初は我慢していた夫の言葉に、傷つくことがだんだん増えてきました。

若い頃は気が強いところもあったので、「女だから」と格下に扱われることがあると、反論するようになりました。思っていることをぶつけると、相手はさらにこちらを罵倒する、脅す。そういうことのくり返しで、わたしの心はだんだん閉ざされ、言いたいことも言えず心にためるようになっていきました。