ミモレでは2021年に公開されたインタビューのうち、特に人気があった記事をご紹介します。よろしければぜひお楽しみください。元記事は3月22日に公開されたもので、作品の情報等は公開当時のものです。

女友達とのおしゃべり感覚でお届けする、ともさかりえを「つくるもの」。
今回は仕事をテーマに、12歳のデビュー当時のこと、一大ブームとなった『金田一少年の事件簿』への思いなど、語ってもらいました。
10代の頃のともさかさんの経験からは、「働く」ということの本質が垣間見られて……。

ともさかりえの女優という仕事「10代で一番働いていた時のお小遣いは月5000円でした」_img0

1979年、東京都出身。12歳で芸能界デビュー、ドラマ『金田一少年の事件簿』のヒロインで注目を集める。その後、女優として数々の映画、ドラマなどに出演。最近では舞台でも活躍、演技派女優として活動の幅を広げている。また、ブログの発信もいち早くスタート、そのファッションやライフスタイルがファンのみならず女性の共感を集めている。ドラマ『監察医 朝顔』(毎週月曜夜9時〜・フジテレビ系)に出演決定。
公式ブログ:http://ameblo.jp/tomosaka-rie
インスタグラム:rie_tomosaka_official

 


――そもそも、ともさかさんが女優を目指したきっかけは何だったのでしょうか?

元々、女優志望だったわけでは全くないんです。ヘアメイクの仕事をしていた父が、今も私が所属している事務所の社長と知り合ったことがきっかけになるのかな。
家族写真を見た社長が、私に会いたいということで、小学校6年生の夏休みに原宿の千疋屋で会って話を聞いたことを覚えています。

特に芸能界の仕事に興味があったわけではないけど、当時父がヘアメイクを担当していた荻野目洋子さんやWinkの相田翔子さんのコンサートを見に行ったりしていたので、感覚として全く知らない世界ではなかったかもしれません。

ただ、お仕事してみませんかと言われても、なんの経験もないから、果たして自分に務まるのかどうか未知の領域だった。でも何も知らないのに嫌だとも言えなくて、せっかく声をかけていただいたのだからやってみようかな、と。
両親は「りえがやってみたいと思うのであればやってみればいいし、やりたくなければやらなくてもいいんだよ」と選択を委ねてくれたので、学業に支障がない範囲でやってみようとスタートしたんです。
その時は将来のことなんて1ミリも考えていなかったし、まさかこれが自分の人生を左右する選択になるとは思っていませんでした。

――そのとき、まだ12歳だったんですね。

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ともさかりえの女優という仕事「10代で一番働いていた時のお小遣いは月5000円でした」_img4

ワンピース¥53000/ebure(ebure GINZA SIX店) スカート¥9900/ノーク リング(3つセット)¥63000/ソフィーブハイ(ディアリウム 渋谷スクランブルスクエア) シューズ¥33000/ピッピシック(ベイジュ) その他/スタイリスト私物

初めての仕事は、最初のオーディションで受かったトヨタの車のCMです。それまでオーディションを受けたことがなくて、流れもマニュアルも知らなかったからか、その真っ白な感じを面白がってもらえたのかもしれません。

よく覚えているのは、「目標にしている芸能人はいますか?」と聞かれて、そんなこと考えたこともなかったから「トシちゃん(田原俊彦)です!」って答えたこと(笑)。母がファンだったからそう答えたんだと思うけど、そういう受け答え含めて新鮮に感じてもらえたのでしょうか。

1週間くらい地方に行って撮影したんだけど、見るもの聞くものすべてが初めてづくしで、みんなで作っていく過程のひとつひとつが、ものすごく面白かった。ロケから帰ってきた翌朝の朝ごはんを食べながら寂しくて泣いちゃったことを覚えています。
初期の頃の仕事って、今でも鮮明に記憶に残っていて。いまだに言える台詞とかあるんですよ。最初にやった連ドラの台詞とか。

――最初の連続ドラマは1993年、浅野温子さんの娘役を演じた、『素晴らしきかな人生』ですね。

浅野温子さんが演じるシングルマザーのママとふたり暮らしで、朝、必ず一緒にお風呂に入るっていうシーンがあって。一話の冒頭の台詞とか、今でもちゃんと言えるから、自分でもびっくりします。

右も左もわからない新人だったから、クランクインの前に監督と助監督さんたちが一緒にお稽古してくれて。骨の髄まで染み込むくらい何度も練習させてもらったから、今でもこんなふうに覚えているのかもしれない。
オーディションの時に監督からダメ出しをされて、「こんな怖いおじさんとは絶対に仕事したくない……」と思っていて、受かったと聞いたときは泣きました(笑)。

今思えばたいしたことを言われてないんだろうけど、ダメ出しされる経験も初めてだったし、子供の頃って親や学校の先生以外の大人に怒られることって、なかなかないじゃないですか。
どうなってしまうんだろう……と怖くて震えていたけど、クランクイン前に丁寧にお稽古つけてもらったことで、少し自信もついて、良い緊張感を持ちつつ現場に入れた。
それはなんて贅沢なことだったんだろうと、本当にありがたいことだったなと、いま改めて痛感しています。
 

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現在出演中のドラマ『朝顔』(フジテレビ系)の現場にて


――よく、10代のころのことをそんなに鮮明に覚えていますね!

強烈に覚えていることと覚えていないことの差が激しいんですよ(笑)。

私はすごくいい時代にデビューできたんだなと感謝しています。できないことをそのままにせず、「できるまでちゃんと待ってるから大丈夫だよ」っていう大人たちの思いみたいなものを、幼心に感じられたから。

温子さんは相手が子役だからって容赦せずに向き合ってくださったので、その無言の圧というか、気迫みたいなものに、必死に向かっていく毎日でした。
温子さんの芝居を見ていると、本当に楽しくなったり悲しくなったりして、演じているというより、自分自身が体感しているみたいな、不思議な感覚でした。このドラマがあったから今があるって断言できるくらい、本当に沢山のことを教わりました。

今でも当時のスタッフさんに会ったりすると、「おっきくなったねー」って言われます(笑)。
この歳になるとどこに行っても、当たり前のように「できますよね」っていう前提のポジションになっていくから、あの時代を知っていてくれる人がいるのはうれしいことですよね。

 
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