ミモレでは2021年に公開されたインタビューのうち、特に人気があった記事をご紹介します。よろしければぜひお楽しみください。元記事は4月2日に公開されたもので、作品の情報等は公開当時のものです。

女友達とのおしゃべり感覚でお届けする、ともさかりえを「つくるもの」。
12歳でデビューしてから、25歳で出産。
子供がいる働く女性なら誰もが悩む、「仕事と育児」のバランスですが、ともさかさんも同じように涙しながらの試行錯誤の日々だったそうで……。

ともさかりえ「育児と仕事の両立」搾乳中に涙...試行錯誤の毎日_img0
 

1979年、東京都出身。12歳で芸能界デビュー、ドラマ『金田一少年の事件簿』のヒロインで注目を集める。その後、女優として数々の映画、ドラマなどに出演。最近では舞台でも活躍、演技派女優として活動の幅を広げている。また、ブログの発信もいち早くスタート、そのファッションやライフスタイルがファンのみならず女性の共感を集めている。WOWOWオンデマンドにて配信、WOWOWプライムにて放送中のミュージカルドラマ『FM999 999WOMEN'S SONGS』に出演。
公式ブログ:http://ameblo.jp/tomosaka-rie
インスタグラム:rie_tomosaka_official


――前回は、10代で経験した「演じることの楽しさと、一方でそれが職業になっていくことに対するしんどさ」について伺いました。

働くことの意味を理解して、様々なことに折り合いを付けられるようになってきたのは、たぶん子供を産んでからだと思います。

それまで私は仕事と生活を完全に地続きに捉えていたから。出産して子供を育てるなかで、それぞれを切り離して考えられるようになってきたというか。以前よりも楽になったという実感があります。

 

――出産が25歳の頃ですよね。一般的にいうと社会人になりたての時期。ちなみに産休、育休はどれくらいありましたか?

妊娠6ヶ月くらいまでは、『新しい風』という連続ドラマの撮影をしていました。
クランクインの直前に妊娠していることに気付いて、実は事務所にも知らせず撮影していたんです。でも悪阻がひどくて、マネージャーさんにグレープフルーツジュースばっかり買ってきてもらっていたから、怪しまれていたかもしれない(笑)。

今でも忘れられないのは、野際陽子さんとのリハーサル。野際さんが意地悪な台詞を言いながら私にじりじり迫ってくるという芝居の最中に、近づいてくる野際さんの顔が少しずつボヤけていって、貧血でそのままスコーンって倒れちゃったんですよ。皆さん、その瞬間は芝居かと思ったそうです(笑)。

このまま病院に行ったほうがいいよと、スタッフさんにも言ってもらったんだけど、病院に行ったら妊娠してるのがバレちゃうと思って(笑)、「いや、全然大丈夫です」、とその場は乗り切りました。今思えば、なんて危なっかしいことをしていたんだろうと反省しています。

少しずつお腹も膨らみ始めていたし、これはもうさすがに黙っている訳にはいかないと思い、事務所の社長に思い切って伝えたら、「なんで早く言わなかったの〜」と、むしろあたたかく受け入れてもらって、本当にホッとしたのを覚えています。

結婚してから子供が欲しくてトライしていたんだけど、なかなか妊娠できなくて。
生理がくるたびネガティブになっていたので、「これは一度すべて忘れて、自然にできるタイミングを待とう!」と切り替えたところでの妊娠でした。

現場のみなさまにはご迷惑をおかけしてしまいましたが、お腹が目立ちにくいアングルを探ってもらったりしながら撮影を進めて、なんとか最後まで撮り終えました。

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――15年以上も前ですから、社会的にも今のように妊娠出産で仕事を休む、と言い出しにくい状況でしたよね……。

連続ドラマの撮影が始まる、どう考えてもアウトなタイミングでの妊娠発覚だったから。
「これはプロとして失格だろう」と自分を責める気持ちと、素直に嬉しい気持ちと、色んな感情がぐるぐるまわっていました。
でもお腹に赤ちゃんがいるんだと思うと、不思議なチカラが湧いてくるというか、その存在に支えられる日々でした。

出産後は3ヶ月で、『anego』という連続ドラマで復帰しました。
元々そんなに早く復帰するつもりはなかったけど、『金田一』時代からお世話になっている女性プロデューサーからのオファーだったのが大きいかな。
彼女も子供がいるから、産後の状態も理解してくださって、時間的なことも考慮していただいた中での復帰でした。

その当時は子供がいる友達も近くにいなかったから、相談できる人もいなくて。子供を抱えながら仕事をしていくことがどういうことなのか、全く想像がつかなかった。何が必要で、どんな準備をすればいいのかも分からない。
あの頃はまだまだSNSが身近なものではなかったし、とりあえず育児雑誌を片っ端から読みまくって準備しました。

どんな形がベストなのか、やってみないと分からないから、最初は子供を現場に連れて行って、楽屋でシッターさんに見てもらって、撮影の合間に授乳をして。
でもスタジオの中にいても、息子の泣き声が聞こえてくるような気がしてなかなか集中できなくて。これはダメだなと、自宅でシッターさんに子供をみていただく形にしました。

ともさかりえ「育児と仕事の両立」搾乳中に涙...試行錯誤の毎日_img1

 

仕事復帰のタイミングって、本当にいろんな考え方があって、良し悪しも人それぞれだし、それぞれにベストなやり方があると思うんです。
ただ、自分ではこれが最善だと思っていても、ロケの合間にトイレで搾乳したりしてると涙が止まらなくなって、本当にしんどかった。
産後のホルモンバランスの影響もあるんだろうけど、「私は何をやっているんだろう……」って泣きながらおっぱい搾っていたなぁ。

 
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