「裏切られた」という思いは単なる勘違い!?
自分本位な思いやりは、相手だけでなく時として自分自身にもキバを剥くことがあるようです。
「思いやりのある態度をとってきた相手が自分を嫌っていたり、自分の思いと異なる行為をしたときに、『裏切られた』と感じる。それは単に、自分の勝手な思い込みが間違っていただけなのに、そう感じてしまう。そして、『あんなにやさしくしてあげたのに、私に歯向かうなんて、なんてひどい人だ』などと思ってしまう」
では、他人に何かをしてあげたいという感情を抱いた時、どのように振る舞うのが正解なのでしょう?
「もっとも大事なのは、その人が気軽に要求し、反対し、自分の意見をいい、そして他者を嫌うことのできる立場をつくることだと思う。その人個人のために何かをしてあげるのではなく、制度として、だれもが遠慮せずに自分の思いを口にできるようにしておくわけだ。そして、『だれか手伝ってほしい』『これをしてくれるとうれしい』と表明できるようなシステムをつくる。
少なくとも、思いやりを示して何かをしてあげるよりは、何でもいえる雰囲気をつくることのほうが大事だと考える。そして、それが日本に欠けていることだと思うのだ。そして、これは、『相手のことを嫌いだと表明する権利』を保持しておくということにもつながるだろう」
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