日本人の女性は、トレンドに敏感でおしゃれが大好き。ファッションやメイクに対しても研究熱心ですよね。それなのに〝歩き方〟に関しては、美しさからかけ離れているというデータが。

 

オムロン ヘルスケアとワコールが共同で実施した「外国人男性に聞いた日本人女性の歩き方に関する調査」では、約64%が「歩き方が残念」と回答。さらにハイヒールを履いた歩き方については90%が「不格好」と答えたそうです。

「どうしてハトのように歩くのか」
「トイレを我慢しているような歩き方」
「韓国では内股歩きの女性はほとんど見かけません」

と、日本人女性の歩き方について少々手厳しい意見が。実は、日本人のウォーキングは国際的な基準から大きくかけ離れた歩き方だというのです。

「わたしの知る限りですが、日本人の歩き方は世界でももっとも下手なグループに入ると思います。世界標準とされる歩き方は立体的(=3D)ですが、多くの日本人の歩きはからだの使い方が平面的(=2D)になっているのです」
そう分析するのはPROGRESS BODY代表の松尾タカシさん。身体機能を活性化しながら姿勢を正し、身のこなしを美しく変える独自メソッドを提案する松尾さんが、日本人の歩き方の特徴として挙げてくれたのが〝小股歩き〟〝前かがみ〟〝内股〟〝すり歩き〟〝O脚、X脚〟……。

 

「骨格や筋肉の違いが大きいヨーロッパ系やアフリカ系の人たちの歩き方と差異があるのはわかりますが、中国や韓国など同じアジア系とも違っているのです」
たしかに街で歩いている外国人たちの様子を観察すると、その後ろ姿からも日本人との違いがはっきり。彼女らは背筋を伸ばし、お尻を軽く振り、大股で堂々と歩いています。

松尾タカシさんは、著書『きれいに歩けば長生きできる 世界標準3Dウォークの奇跡』で、3Dで歩くための基本となる3つのウォーキング・エクササイズを紹介しています。

「世界標準の歩きとは〝まっすぐに立ち〟〝左右の重心移動をスムーズに行い〟〝骨盤を水平に回旋させながら歩く〟立体的な歩き方=『3Dウォーク』です。〝タテ〟〝ヨコ〟〝スイング=回旋〟という3つの動きを組み合わせたウォーキング エクササイズで誰もが正しく美しい歩き方を身につけられるのです」(松尾さん)

その基本動作とエクササイズは以下の3つ。実際の動きは記事最後の動画も併せてご覧ください。

①フラミンゴ ウォーク=まっすぐに立って歩けるようになる

まっすぐに立ち、足幅は平行にしてこぶし1個分。腰に手をあて、太ももを地面より平行以上に上げてゆっくり下ろし進みます。上げたときに内ももの付け根を意識し、前かがみにならないように。


②ジグザグ ウォーク=重心を左右の脚に入れ替えて歩ける

お尻を引いた中腰の姿勢のまま足幅は平行にしてこぶし1個分。45度外側に踏み出すように歩き、着地させた脚に体重をしっかり載せます。左右の脚を交互にV字を描くように進みます。


③トルネード ウォーク=からだの回旋を使えるようになる

まっすぐに立ち、肩の高さで両腕を合わせ、足幅は平行にしてこぶし1個分。上半身(胸椎)と下半身を大きくツイストさせるイメージで。つま先は真っすぐを意識してかかとから着地して進みます。

「まずフラミンゴのように片脚を高々と上げながら歩く<フラミンゴ ウォーク>で〝まっすぐに立つ〟姿勢を作ります。欧米人は骨盤が前傾しているので、お尻の筋肉が発達しやすく、自然に3Dウォークを実践できています。その点、小さな歩幅で歩く日本人は、左右の足に交互に重心を移動させることは意外に難しいもの。基本の2つめのエクササイズ<ジグザグ ウォーク>では、重心移動に大切な股関節まわりの筋肉を鍛え、その動きをスムーズにします。またお尻の筋肉を鍛えることで、自体重による負荷や地面からの衝撃を、お尻の筋肉で吸収することができるようになり、腰やひざに負担を軽減させます。

3つめの基本エクササイズ<トルネードウォーク>では回旋動作を意識付けし立体的な歩きができるようにします。このウォーキングでは骨盤まわりの大きな筋肉を動かし、ウエストを積極的にスイングするので、代謝アップやダイエット、くびれ効果も期待できます。関節の内側までつながる筋肉を鍛え、骨盤を前傾させた理想の姿勢を保てるようになります」

 
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