正規・非正規では給与のみならず、次のような格差も。


【社会保険制度の格差】週20時間未満の労働時間しかない非正規労働者は加入できない。
【医療保険制度の格差】被扶養人として働いている配偶者の保険に加入できるが、年金や失業に関しては不可。高齢になったときや失業したときに所得の欠如という問題が生じる。
【経営不振時の処遇格差】最初に雇用打ち切りの対象になるのは非正規労働者。
【スキルアップの格差】企業は非正規労働者に職業訓練の機会を与えないので、資質や生産性の向上が見られないこともある。

 

こうして見ると、非正規雇用は貧困を生み出すだけでなく、健康格差や老後格差といった、安心して人生を送るための骨子といえる部分に、大きな不安を生じさせるしくみといえるのかもしれません。

 

日本人女性が描く「M字型カーブ」


人生100年時代と言われる今、こうした生活不安を極力減らすためにも、できる限り同じ職場、またはキャリアアップできる職種で長く働きたいと願う女性も少なくないかもしれません。

その糸口を見つけるうえで注目したいのが、女性の「労働力率」です。労働力率とは、15歳以上の人口に占める労働力人口の割合を示したもの。本書では、女性の高い労働力率で知られるスウェーデンと比較しつつ、「M字型カーブ」と称される日本人女性の特色について教えてくれます。