ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載です。今回は、40代でバツイチ再婚を果たした夕子さんにその後の結婚生活の様子を聞きました。
40歳の夕子さんと、45歳の涼介さん。バツイチ同士のふたりが、結婚相談所で出会って、2回目のデートで同棲話をきっかけに、結婚前提の交際をスタートすることに。
夕子さん:涼介さんのことは、「すごくここが好き」だと思ったわけではないんです。だけど生理的に嫌なところもなかったし、最初のお見合いのときから、話していて楽しいし「この人、いいな」とは思っていました。あとは信用できると感じたのが大きかったですね。私の話を聞いた上で、私のことをちゃんと考えてくれているなというのがわかったので。私の親にも誠実に対応してくれて親が安心していたのも、結婚の決め手になりました。
再婚してみて、「結婚って相手によってこんなに違うのか」と思ったという夕子さん。
前の夫は信用できなかったため、一緒に暮らしていてすごく苦しかったそう。
夕子さん:信用できない相手との生活ってしんどいです。思えば相手の顔色を伺ってばかりだったし……。今は、信頼できるという安心感が根底にあるので、自分らしく穏やかに過ごせている。ただ、今の夫は持病があり食事管理をしなければならないので、相手によって種類は違うけど、それぞれ大変なことがあるのが結婚なのかなあと思います。
2年間で41人とお見合いし、42人目で出会えた再婚相手。それも今までこだわっていた「大卒以上」という学歴の条件を外したからのことだと考えると、婚活に苦戦している人は、結婚相手に対するこだわりを一度捨ててみるといいのかもしれません。
実際の結婚生活って気が合って楽しく快適に暮らせることがいちばん。学歴や身長などの細かい条件って枝葉のことは、生活する上で案外どうでもよかったりするものですから。
さて、出会った2月に結婚前提の同棲が決まり、相談所の「本交際」という、お互い他の人とのお見合いはストップする状態に入ったおふたりですが、実際一緒に同居を始めたのは、入籍後の8月から。元々、夕子さんが務める保育園の退社が7月だったので、ふたりは予定通り7月に入籍します。その直前、6月に夕子さんの妊娠がわかるのですが、残念ながらその後流産してしまったそう。
夕子さん:私は保育士の仕事をしているので、子供は可愛いけれど育てるのは大変だという現実を知っているんですよね。だから、「どうしても持ちたい」という強い思いはないんです。産まなくても、今の保育士としての距離感で育児に貢献できればいいかなと。
一緒に暮らし始めて、今でも3ヶ月に一回は些細なことでケンカになることも。だけど居心地がいい関係なので、結婚して半年で、10年近く一緒に居たかのようなリラックスしてお互い素を出せるようになりました。
夕子さん:晩婚の良さは、お互いに多くを相手に求めないことじゃないでしょうか。何があっても「お互い様だし、まあいいか」と許せる、ゆるさがあります。人間いい日もあれば悪い日もあるし、何も家事をしたくない日だってある。若いときのような体力もないので、下手に衝突して疲れないように、ケンカしても突き詰めたりはしないようにしています。
この連載を読んで、「当時の私と同じような状況の人たちの希望になれれば」と思い、取材に応募してくださった彼女。
「今はコロナ禍で出会うのも大変ですよね。私があれほどたくさんのお見合いをできたのも、あのときだったから。そう思い返しているときにこの記事をネットでたまたま目にしたんです。相談所はたしかに変な人もいるかもしれないけど、私のように出会いの分母を増やしてあきらめなければ出会えます。だから、婚活で苦戦しているアラフォーの方は、なかなかうまく行かなくてもあきらめないで欲しい!」
構成/川端里恵(編集部)
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