ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載です。今回は、46歳で元アイドルのイケメン夫と結婚した直美さんに、これまでの恋愛遍歴を伺いました。

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直美さん(仮名)、51歳。28歳のときの失恋がきっかけで恋に奔放な肉食恋愛体質に変貌。二度と傷つきたくないから真剣な恋も結婚もしないと思っていたのが、46歳のとき、同い年の英二さん(仮名)と19年ぶりに再会し、彼に押し切られた形で、当時の恋人と別れて英二さんと結婚。

お肌ツヤツヤで、50代には絶対見えない年齢不詳美女の直美さん。とある大企業の人事担当をしながら、現在は全く別の職種で副業をスタートし、バリバリ稼いでいる仕事のできる女性です。

そんな直美さんは、「18歳で初カレができて以来、恋人がいなかった期間は1ヵ月しかない」と豪語するモテ女。

 

直美さん:いやいや、別にモテるってわけじゃないですよ。単に乗り換え上手なんです。付き合うと毎回5年以上は続くタイプなんですが、別れるときは次の相手を確保してから乗り換えるんです。

そんな風に謙遜するけれど、相手からフラれることなく恋人が途切れないのはモテる証拠なのでは……。

「モテる秘訣を教えてください!」と聞く私に、「確率の問題なのでは」、と直美さん。

直美さん:私はいつも、いいなと思う男性には自分からガンガンいくんです。男性って女性から来られると、断ることはあまりないじゃないですか。それに、ダメなら執着せずにさっさと次に行く、だから相手が途切れないというだけで。そんな感じだから、誰かと付き合っていても浮気しちゃうんですよね。「結婚してないんだから誰と遊んだっていいでしょ」という気持ちでした。常にふた股や三股くらいかけていたかも。

とっても肉食系な直美さんですが、「28歳までは真面目」だったとか。一体28のとき、何があったのでしょう。

直美さん:23歳から付き合っていた人と、同棲して親の顔合わせまで済ませて結婚前提でいたのに、彼の同僚の女性に寝取られたんです。身体が弱くて儚い感じの女性で、「彼女は俺がいないとダメだから」って。ショックでしたね。それまで真面目に生きてきたのに、彼のために使った時間を無駄にしてバカみたい、って思いました。「恋愛は真面目にやったからって上手くいくとは限らないんだ」と学んだんです。

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そこから、恋愛に対する価値観が崩壊。「真面目にひとりの男性と付き合うより、いろんな人と遊びたい」と、浮気しまくるようになったのです。

浮気された経験から「浮気されるのがこんなに辛いならこっちが浮気しよう」という気持ちになるのはわかるけど、それを実践できるくらいに相手が次々みつかるのがすごい! と、以前、「ポリアモリー(複数恋愛)もアリかも」と一瞬考えたけど、興味を持てる相手がそんなに複数いないことに気づいた経験がある私は思いました。

相手に興味を持たれるかどうかもさておき、アラフォー以上になると、そもそも「いいな」と思う相手がなかなかみつからないという話をよく聞きます。ということは、直美さんは恋愛をキャッチするアンテナの感度がすごく高い女性なのかも。

直美さん:自分の心の隙間をひとりの相手で埋めようとすると、その人が居なくなったときのダメージが大きい。だからそうならないように、複数の人でいろんな担当を分けるんです。頭の良さはこの人、優しさはこの人、面白さはこの人、というように。

さかい:なるほど〜! バブル時代のアッシーくん、メッシーくんのように、それぞれの得意分野で担当を分けるのですね。それなら、何かひとつ優れた特性があればいいから、ひとりの男性ですべてを賄おうとするよりも相手がみつけやすそうですね。

直美さんにとっての恋愛は「狩り」。

直美さん:獲物を狩りに行くのが楽しいし、乗りこなしづらい馬ほど乗るのが楽しい、という感覚。獲った獲物には餌をやらず、またすぐ次の獲物を狩りに行く、という生活を送っていました。

そんなわけで、全く結婚願望がなく、恋愛をライトに楽しんでいた彼女が、46歳で会って5回目で結婚を決めるのですが、そこにはどんな心境の変化があったのか。次回はそのお話をご紹介したいと思います。

イラスト/いとうひでみ
構成/川端里恵(編集部)

 

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