前述の「フランキーズ・ビキニ」とのコラボでは、「ある特定のサイズや体型の人のためだけでなく、すべての女性のためにデザインすることが大切だと思う。私にとっては多様性をプライオリティにしているブランドとコラボすることが重要なの」とコメント。どんな体型でも水着を楽しめるようにXSからXXLサイズまでを揃え、ブランドのウェブサイトにはプラスサイズモデルも起用しています。

さらにバービーとのコラボでは、2020年の全豪オープンで着用したウェアを再現。このバービーには、大坂選手の「すべての子どもたちに思い起こして欲しい。何にでもなれるし、何でもできるのだということを」というメッセージが込められています。

2020年全豪オープン、女子1回戦での大坂なおみ選手。写真:AAP Image/アフロ

2020年の全米オープンでは毎試合ごとに、人種差別や警察の暴行を受けて亡くなった黒人7名の名前が書かれたマスクを着けて出場するなど、以前から人種差別に抗議する言動をしている大坂選手。

2020年の全米オープン女子準決勝での大坂選手。マスクに入っている「フィランド・カスティール」は、2016年に米ミネソタ州で運転中に警官に呼び止められ、射殺された黒人男性の名前。写真:AP/アフロ

黒人とアジア人、2つのルーツを持つマイノリティである彼女が、これまで「白人のスポーツ」とも言われてきたテニス界で生き抜いて来る中で人種差別を経験したこともあっただろうというのは、容易に想像がつくこと。

 

だからこそ、彼女は声を上げるために今、あえて表舞台で目立つことを選んでいるはず。アスリートが人種差別問題に意見することで叩かれることは百も承知で。

メンタルヘルスについて公表するのだって、とても勇気がいること。だけど彼女のような一流アスリートが公表することで「自分だけじゃない。特別なことじゃないんだ」と救われた人も、たくさんいるのではないでしょうか。

その声が無視されてしまうようなマイノリティに代わって自分の意見を発信すること、そしてその声が大勢の人に届くことって、とても大事なことではないのかと、私は思います。Black Lives Matter運動やMe Too運動は、今までは発言権さえ与えられなかった弱者たちが声を上げられるSNSという場ができてようやく起きてきたムーブメント。勇気を出してくれた人たちのためにも、その変革のうねりを消すことがないようにしたいですよね。

何かとバッシングされがちな大坂選手ですが、これからもテニス界に、そして世界全体にも、革命の火を灯し続ける存在であって欲しい!


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