「人生で学ぶべき大切なこと」は共通している


世の中には、さまざまな思想があります。例えば、「思いやりが大切だ」というのもあれば、「自分に正直であることが大事」という思想もあります。もし自分が友達の恋人を好きになってしまったとき、どっちの思想を持つのかによって、進む道が変わってしまうでしょう。だからこそ、良書を読んで、“人生の指針”となる思想を持つことが大切なのです。

 

私は、12年前に孔子の『論語』関連の本を片っ端から読んだことがあります。あの本は“普遍的に大切なこと”を教えているので、非常に勉強になりました。
そして、色々な『論語』関連の本を読んでいったとき、気づいたことがあるのです。それは、「『論語』に書かれていることと、世に出ている生き方本、自己啓発本には、共通していることが多い」ということです。
つまり、「人生において学ぶべき大切なこと」は、共通しているのです。その学ぶべきものは、「精神的な自立」や「積極的に生きること」「自分を大切にすること」、そして、「人と調和すること(折り合いをつけること)」「本当の愛を理解すること」などです。

『論語』では、「仁が一番得の高い大事なもの」だと言っていますが、「仁=思いやり=愛」です。「本当の愛を理解し、抱けるようなること」が大切だということは、良質な生き方本、自己啓発本にも、共通して伝えられているもの。
つまり、「愛を理解し、愛を伴った言動をすること」が、人生において幸せになるために重要なことなのです。

でも、愛が人生においてそんなに大事なことであっても、学校では教えてくれません。さらに、「愛とは何なのか」について、理解している大人は意外と少ないもの。“自己愛を投げ合うような恋愛”を愛だと勘違いしている人もいれば、子供に自分の理想を押し付けてしまっている親もいるくらいです。
だから、まずは、本を読んで、しっかり学んだほうがいいのです。それによって、「今、自分は自己を本当に愛せているのか」「大切な人に対して抱いているのは、本当の愛なのか、自己愛なのか」も分かってくるもの。そして、本当の愛を抱けるようになれば、言動が変わり、相手の反応が変わり、状況が好転しやすくなるのです。

また、残念な言動というのは、「愛情不足」から起こっていることも多いもの。劣等感も、自分をきちんと受け止めていないから抱くものですし、たとえ人を傷つける行為であっても、実は自分のことを大切にできていないからしてしまうものです。
だからこそ、きちんと「自分を愛すること」を学ばないと、魅力的な言動はできないし、本当の意味で幸せにはなれません。それは、たとえどんなにお金持ちであろうと、社会的地位が高かろうと、です。心に愛がなければ平穏はないのです。

愛について書かれている本は、色々ありますが、個人的に、『愛するということ』(著:エーリッヒフロム、翻訳:鈴木晶、紀伊国屋書店刊)は、“愛の本質”について書かれているので、オススメです。少し難しい本ではありましたが、分からなくても読み進め、繰り返し読むことで、心で理解できるようになってくるでしょう。

エッセイや自己啓発系の本を読むときは、ただ読むだけでは、身につかなくてもったいないことがあります。私が読書のときに実践している4つのことを、次のページで紹介します。