「コロナウイルス 冷凍 生存期間」約1カ月前に冷凍庫に投げ入れた自作のバターたっぷりアイスボックスクッキーの包みを握りしめて、私は今こんなワードをググっています。

2021年7月頭の金曜日。日曜には子供同士も歳が近い友達のお宅へ伺う約束を控え、産後特有のホームメイド熱もまだ持ち合わせていた私は得意顔でクッキーをせっせと仕込んでいました。 

どうも、こんにちは。私は餡蜜桃子あんみつももこ、4歳の男女の双子と10カ月の乳飲み児3人の母親です。現在、育児休職中。とにかく明るい安村さん的に言うと、とにかく元気な餡蜜。似ている有名人は聖徳太子と千手観音。泉のように湧き出るバイタリティを武器にクセ強めの3人の子供と猛烈サラリーマンの夫のオーダーを同時に聞き分け2本以上の手で解決する日々を粛々と送っておりました。

そんな我が家をある日突然襲った流行りのアイツ。そう、我が家はコロナウイルスに侵食されたのです。東京五輪ってほんとにやるの!? 正気!? と、こんなにもウェルカムされないことも珍しいオリンピックが間もなく始まろうとしていた2021年7月のほぼほぼ全てをこいつとの戦いに捧げた家族の記録です。子どもがいてコロナになるとどうなってしまうのか、詳しくお伝え出来ましたら幸いです。

餡蜜桃子さんのInstagramより。素敵写真と3児の育児についての生活感溢れるコメントとのギャップが魅力

 


今まで感じたことのない体内が凍るような感覚


金曜晩に込み上げる平日を駆け抜けた達成感。しかし最近の私は土曜日こそが忙しいのです。翌日は8時から自動車教習所に行き4時間ぶっ通しで受講したあとママチャリをかっ飛ばして一旦帰宅。長女の髪を結い上げバレエ教室へ送り届けます。そして時間差で長男を体操教室へ送り出します。バレエが終わるまでの正味25分で次男に離乳食を食べさせ長女をピックアップしに行き、長男と夫の帰りを待って夕方からまた教習所へ行こうと脳内でパズルを組み立てていました。

早く寝なくては、でも疲れて寝転んだソファからなかなか起き上がれません。どうしたもんだろう。どうせ横になるならベッドへ移ろうと意を決して立ち上がり冷蔵庫から麦茶を出して一口飲みます。その瞬間、ブルブルブルッと猛烈な寒気が……。今まで感じたことのない体内が凍るような感覚でした。

寒くて寒くてそのまま布団に潜り込んで丸まって眠ろうと努めました。でも一向に眠れない。まさか熱なの!? いや、そんなはずはない。だって鼻水も咽頭痛もないんだもの。とにかく一番心配だったのは翌日の教習所の予約でした。

私が通う教習所ではドタキャン対策として当日のキャンセルは以後卒業するまでその曜日のその時間が予約出来ないというハードめなペナルティがあるのでした。夫がいる土日に集中して通っていた私にとって土曜日の午前中に通えなくなることは相当避けたい事態。でもそんなに熱は高くなさそう。というかこれはきっと熱ではない……と脳内でグルグル押し問答しているうちに一瞬眠ったようでした。

時計を見たら小一時間経っていました。しかし今度は夫が帰っていないことが気になり始めます。夫はここ数カ月多忙を極め連日午前様、早朝から出張に出ることも多く倒れたり交通事故に遭ったりしないか本当に心配な状態でした。結局夫が帰ってきたのは午前3時過ぎ、今度はなんだか体が暑くなり布団を剥いでやっと眠りにつきました。

6時に目覚ましが鳴り目を開きます。どこも悪くはない、だけどどうやら少し熱はありそうです。意を決して体温計を取りに行きます。37.7度。うーん……体調的に教習所へ行けなくはない。でもこの謎の突然の微熱は怪しすぎます。私が熱を出す時のパターンは大抵鼻か喉の異変から始まり、全身の節々に激しい痛みを覚えて一気に高熱に至るのです。今日は土曜、病院は午前中しかやっていません。万が一コロナに罹っていた場合、方々に迷惑をかけてしまいます。子供達を習い事へ行かせていいものかも白黒つけねば。やむない、教習所はキャンセルして病院へ行くことを決意しました。

夫、そして前々日に食事を共にした母へ「なんかおかしい。コロナかもしれない」と伝えます。物凄くコロナを恐れていた母はこの時点で大パニックです。本当は検査後に伝えたかったけれど母が濃厚接触者であることは間違いないので、念のため今日出掛けることを一旦やめさせなければなりません。そして病院が始まる時間に電話をかけ受診の可否を確認しました。幸い、すぐに診てくれるとのことだったので出掛ける支度をしました。