入院中の夫の熱がなかなか引かない


とても良くしてくれたママ友のひとりは自身のMBA留学のため先日ロンドンへ旅立ちました。同じ保育園に1歳の時から通っていて、イヤイヤ期とかハゲそうなくらい子どもに手が掛かった時代は週に何度も互いの家を行き来して、みんなで夕飯を食べたり、子ども達をまとめてお風呂に入れたりして共に乗り切りました。

 

コロナ禍だったらそんな過ごし方も出来ないですよね。その頃からずっと勉強していて、本当は昨年留学出来るはずだったのにコロナでどんどんどんどん先延ばしになり、いつ行けるのか、果たして行くことが叶うのかもわからないという不安の中で、やっとワクチン接種を条件に海を渡るところまで辿り着きました。彼女たちのお引っ越しは我が家の隔離期間が終わった2日後だったので、最後に顔を合わせることが出来なくはなかったのですが、出国するまでに何度もPCR検査を受けたり、子どもが体調を崩さないよう細心の注意を払っている中で万が一があってはいけないと思い、ビデオ通話で「いってらっしゃい」を伝えました。こんなところでもコロナ禍ならではの寂しさがありました。

子ども達との生活を楽しみつつも夫のことが常に気がかりでした。長く続いた熱も一旦引き1日半くらいは落ち着いていたのですが、また39度を超える熱が出始めたのです。「大の大人が断続的ではあるものの1週間以上も高熱が引かないって……。かなり消耗しているだろうし、万が一急変するようなことがあったらどうしよう……」と夜も心配で眠れない日々が続きました。退院もどんどん先送りになっていきました。

「でも子ども達が元気でいてくれるから有難いね、頑張って治して帰ってきてね」と話していた翌日、事態は思いもかけなかったほうへ急変します。
 

(次回につづく)
 

構成/露木桃子

 


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